高知県と国土交通省四国地方整備局は、建設事業調整会議を県庁で開いた。M田省司知事は「5か年加速化対策の創設により、中期的な事業量確保に大きなめどが立った。この制度を最大限活用し、南海トラフ地震対策や豪雨対策に努めたい」と国に対し感謝の言葉を述べる一方、「近年、防災・減災に関するインフラ整備の重要性が高まっている。県内にはまだまだ整備が必要な箇所がたくさんある。継続的な事業推進のためには安定的な予算確保が必要だ」と訴え、当初予算での措置を求めた。
主な事業では、四国8の字ネットワークの整備促進に向け、事業中箇所の早期開通、計画段階評価完了区間の早期事業化と高知自動車道「土佐パーキングエリア〜須崎東」の4車線化を要望。M田知事は「南海トラフ地震に備え、ミッシングリンク解消、ダブルネットワーク構築が不可欠だ」と要望した。
また「県中央部の海岸での南海トラフ地震・津波対策や高潮・侵食対策の早期完成のため、香南市の吉川・赤岡・岸本海岸整備を直轄事業で強力に促進してほしい」と要請。これに対し四国地整の丹羽克彦局長は「要望は十分承知している。地域の意見を関係機関にしっかり伝えていくことが重要だ」との見解を示した。
この他、浦戸湾三重防護などの南海トラフ地震対策や、中小河川の治水対策に向けても、安定的な予算配分や財源の確保を求めた。
四国地整は「社会資本整備重点計画の策定」「流域治水の推進」「道路の5か年対策プログラム」などの取り組みを説明。今後も国と県が協力して事業を進めていく考えを確認した。
提供:建通新聞社