建設新聞社
2021/07/13
【東北・山形】山形市が旧大沼本店エリア再開発へサウンディング調査
山形市は、旧大沼本店および市立病院済生館を中心としたエリアの利活用案を民間から募集するため、サウンディング型市場調査を実施する。
対話形式による意見募集を想定しており、8月中に説明会および現地見学会を開催する。対話の参加申請は8月23日〜10月1日まで。10月22日〜12月17日にかけて対話を実施する。対話内容は、事業のコンセプトやスケジュール、概算事業費および資金計画、事業エリアの範囲など。来年2月末ごろに調査結果を公表する見通しだ。
山形市七日町1丁目地内の百貨店・大沼本店は、2020年1月に自己破産し、同年12月にRC・S造地下1階地上9階建て、延べ1万8153・37平方bの建物を競売で市の外郭団体である山形市都市振興公社が取得している。
市は、旧大沼本店および改築を計画している市立病院済生館の周辺一帯の七日町1丁目エリアを中心市街地活性化の核となる区域に位置付け民間事業者主体による再開発を検討している。周辺の一体的な利活用案を検討するにあたり、事業者との意見交換などを経て、再開発や施設の利活用に対するさまざまなアイデアや意見を募集する考え。
事業エリアに含まれる建造物は、旧大沼のほか、改築を計画している市立病院済生館(RC造地下2階地上11階建て、延べ4万0296平方b)、看護病院棟(RC造5階建て、延べ3231平方b)、駐車場(RC造8階建て、延べ1万3088平方b)などの済生館関連施設。また、旧大沼と隣接する横田ビル(RC造地下1階地上3階建て、延べ2601平方b)も基本エリアに含める。このほか、周辺の萬屋薬局ビルやアズ七日町ビルなども事業対象エリアに設定することも可能とする。
事業者の提案内容については、▽中心市街地グランドデザインなど市の政策内容を踏まえた事業とすること▽資金調達、計画、施工に至るまで民間事業で実施すること▽商業機能を有すること(旧大沼や済生館関連施設の解体は、市および山形市都市振興公社が行うことも可能)▽エリア内に新たな市立病院済生館の建て替えを提案に入れることも可能とする―など。
対話の実施結果については、参加事業者のアイデアおよびノウハウの保護に配慮した上で公表する方針で、募集した意見は今後の整備の検討材料とする考え。また、今回の調査に不参加でも、将来的に事業実施者を募集した場合に、事業に応募することも可能とする方針だ。
提供:建設新聞社