日本工業経済新聞社(群馬)
2021/07/12
【群馬】渋川広域の最終処分場 候補地決定佳境へ
吉岡町は渋川地区広域市町村圏振興整備組合による次期最終処分場整備について、近く予定している第3回選定委員会で、立地基準を満たした区域の中から最終候補地を選定する作業に入る。想定必要面積は2万5000uを見込み、第2回委員会では建設可能区域を抽出した。第3回以降の開催も想定されているが、状況によっては最終候補地が決定する可能性も出ている。建設場所選定はいよいよ佳境に入った。
同組合は、吉岡町に渋川市と榛東村を加えた3自治体で構成している。現在3自治体のごみは、渋川地区広域圏清掃センター(渋川市行幸田3153−2)の焼却処理と、エコ小野上処分場(渋川市小野子3665)の埋め立て処理を行っている。エコ小野上の埋め立て容量は7万立方mで15年間の埋め立てに対応しているものの、供用開始からすでに6年が経過しているため整備期間などを考慮し次期処分場の候補地を選定する必要があった。
最終処分場の建設候補地選定に関する協定は2008年に構成自治体で締結。次期最終処分場候補地を吉岡町が選定することが定められた。組合側は29年度に埋め立て期間終了を迎えるエコ小野上と同程度の埋め立て規模を次期最終処分場には想定しており、敷地面積は2万5000u程度は必要と見ている。
3月22日に開催された第2回選定委員会において、立地基準を満たした建設可能区域として、上野田地内の45・83ha、北下地内の4・08ha、自害川沢と吉岡川の間にある8・90ha、下野田地内の1・12ha、漆原智内の0・98haの5カ所を選定。他の最終処分場の敷地境界から1km以上離れていることや、水道水源施設の敷地境界から500m以上離れていること、住宅密集または住居地域の境界から100m以上離れていることなどが基準。想定面積を考慮すると3カ所に絞られる。
スケジュール案では今後、候補地選定を21年度内に決定させ22年度末まで地元説明と合意形成を行うとしている。その後、用地買収や基本・実施設計を経て、エコ小野上の埋め立て終了時期となる29年度に整備を終えたい考え。そのため、工事発注準備を26年度上半期には完了させ、下半期に工事を発注する見込みとなっている。
現在は建設可能エリアについて地元意見を収集している段階で、第3回選定委員会で候補地が決定する可能性がある。一方、エリアの比較評価や視察、地元意見などを総合的に判断し、第4回以降での決定も十分考えられる。ただし渋川広域組合への選定報告が年度内と定められているため、年度末までには委員会から候補地が示される。