スノーピーク(三条市中野原456番地 山井梨沙代表取締役社長)が9日まで開催中の大規模総合展示会「SnowPeak LIFE EXPO2021」で8日、建築家・隈研吾氏を迎えての記者発表会とトークセッションが開かれた。
はじめに行われた記者発表会では、建設工事が進む複合型リゾート施設「FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」について、隈氏が概要を解説した。「世界から注目される画期的なスパを造るつもりでデザインした」と意気込みを語るとともに、景観を生かすために雁行配置を採用した点、スパ棟(メーン棟)屋根の軒に2万本の薪をあしらったデザイン、燕三条産メタルウォール等地元素材を多数盛り込んだことなどを紹介。また、同施設のあり方について、「コロナ後の新しいライフスタイルとしてスノーピークさんが提唱する『衣食住働遊』のコンセプトを体現した施設になる」との見方を示した。
トークセッションでは「【暮らし】都市と自然をつなぐ」をテーマに、山井社長、山井太代表取締役会長、隈氏が対談。山井社長から、同施設で使用される資材をはじめ自然素材にこだわる理由を問われた隈氏は、「リラックス効果など、木が人々に与える影響は大きい。森で暮らしていた頃の感覚を遺伝子レベルで覚えていると考えられるからだ」と述べ、人と自然とのつながりを強調した。また、未来の新たなライフスタイルなどについてトークを展開した。
同施設は、自然志向の人生価値向上を掲げる同社の「未来構想プロジェクト」の一環。スパ棟の規模はRC一部S造地上1階地下1階建て延べ2133・45平方メートル(建築面積2007・64平方メートル)。また、敷地内にはヴィラ棟(S造平屋建て延べ100平方メートル・1棟、50平方メートル・2棟)、モバイルハウスも併設。場所は楢山字下山地内の敷地面積1万4200平方メートル。施工は清水建設が担当し、すでに着工。22年春ごろ開業を目指す。
設計・監理は隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)が担当。