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北陸工業新聞社
2021/07/09

【石川】財政支援制度の創設要望/現代建築レガシー保存・継承へ/金沢市

 金沢市は、金沢開発協議会の22年度新規要望事項に現代建築レガシー(遺産)の保存・継承のための支援制度創設を盛り込んだ。まちなみの形成に重要な現代建築物の計画的な保存整備に対する財政的支援制度の創設を国に求めていく方針だ。
 金沢の重層的な建築文化を形成する建築物の中には、国内外で活躍する著名建築家が手掛けた現代建築物が多く存在し、市の魅力の一つになっている。しかし、そうした建物は建築的価値を有するものの、これまでは単なる建物的な修繕しか行ってこなかったため、今後は建築的価値の維持を目的とした修繕や改修を行い長寿命化を図り、金沢が誇る建築文化の魅力を次世代に継承していこうというもの。
 市は今年度、長寿命化や建築的価値の維持に向けた基本方針を検討し、ガイドラインとして取りまとめる。並行して一部市有施設の建物診断を実施し、診断結果をガイドラインに反映する方針。22年度以降にガイドラインに基づき、実施設計、改修工事に着手する。
 市はこのほど、谷口吉生氏が設計した玉川図書館(1978年築)と鈴木大拙館(2011年築、BCS賞など)で建物診断に着手した。診断業務は谷口建築設計研究所(東京都)が担当。
 このほか、主な対象施設は、谷口吉郎氏が設計した西町教育研修館(52年築)、岡田新一氏設計の泉野図書館(95年築)、SANAA(妹島和世+西沢立衛)が手掛けた金沢21世紀美術館(04年築、プリツカー賞、BCS賞など)。
 市は、確実な調査や工事の実施に向けて財政支援を求めていく考えだ。

hokuriku