国の先導的官民連携支援事業に選定されていた、市原市の八幡宿駅西口における「都市公園を活用した老朽施設の集約化による地域活性化に係る官民連携手法導入可能性調査」の結果が国土交通省により取りまとめられた。VFM(Value for Money)算定の結果、PFI(BTO)方式で事業等を実施した場合、約6%のVFMが見込まれることから、市原市は対象敷地に係る事業手法についてBTO方式を推進することとした。複合施設およびオープンスペース事業に関しては、事業方式を混合型とすることで、効率的・効果的な事業化を図る。
事業化に向けた今後の展望としては、2021年度に実施方針等の策定・公表、22年度に民間事業者の公募・選定・契約締結、23年度以降の事業実施を目指す。民間事業者の参画の難易度を下げるため、PFI事業と跡地活用事業を別々の公募とした上で、一体性を確保する仕組みを検討する。
調査では、複合施設やオープンスペースといった多様な機能を有する施設について、一体的かつ効果的な官民連携手法の導入可能性を明らかにするとともに、既存ストックの活用に係る課題や、跡地の一体的活用による既成市街地の面的なリノベーションの実現可能性を検討した。
さらに事業化に当たっての課題として▽駐車場の整備および運営方法▽オープンスペースの利用料金▽運営業務の柔軟性を確保する仕組みづくり▽地域関連主体を協議・連携する仕組みの整理▽要求水準の整理・明確化(図書空間・子育て支援機能等)――が挙げられた。
同事業は、八幡公民館など6施設の機能を集約した複合施設を、既存ストックである八幡運動公園等の敷地を活用して整備することにより、地域の文化や歴史を継承しつつ新たな価値を付加するとともに、施設面積削減に伴う財政支出の低減を目指すもの。また、複合施設と一体的にオープンスペースの整備および管理運営を行うことで、にぎわいや交流の創出、地域イベントの実施による地域交流を図る。再配置後に生じる既存施設の跡地については、地域の魅力創出のための活用を目指している。