国土交通省四国地方整備局は、四国4県での新広域道路交通ビジョンと、これを踏まえた今後20〜30年間の道路整備の基本となる新広域道路交通計画を策定する。広域道路ネットワークの見直しを27年ぶりに行い、幡多西南地域道路(仮称、高知県)と奈半利室戸道路(仮称、高知県)を構想路線に追加で位置付けた。高規格道路としての役割が期待されるものの、起点終点が決まっていないことなどから個別路線の調査に着手していない一方で、平常時・災害時を問わない安定したネットワークを構築するために重要な位置を占める道路とされ、将来、重点的に整備を進めるための一歩となる。
広域道路ネットワークとしては、香川県内8路線、徳島県内10路線、高知県内10路線、愛媛県内10路線を位置付けた。これらのネットワーク路線のうち、重要物流道路に指定されてない路線について、追加指定をし、順次、機能強化を図っていく。
四国地域新広域道路交通計画は、平常時・災害時を問わない人流・物流の確保・活性化の観点から、@広域ネットワークA交通・防災拠点計画BICT交通マネジメント―の三つの視点ごとに具体的な取り組みをまとめたもの。
広域道路ネットワークの強化の方向性として▽中枢中核都市などを核としたブロック都市圏の形成▽わが国をけん引する大都市圏などの競争力や魅力の向上▽空港・港湾などの交通拠点へのアクセス強化▽災害に備えたリダンダンシー確保・国土強靱(きょうじん)化▽国土のさらなる有効活用や適正な管理―を掲げた。
交通・防災拠点計画では、主な施策として松山市のJR松山駅周辺での路面電車停留所移設など交通結節点機能の強化、高知県内の高知南国道路高架下を利用したパーク&ライドの本格運用と他地域でのパーク&ライド駐車場の整備の検討、スマートインターチェンジの整備などを進める。
ICT交通マネジメントとしては、道の駅での自動運転実証実験や観光型MaaS導入などを検討する。
四国地域新広域道路交通ビジョンには、四国8の字ネットワークなどの高規格幹線道路や広域道路などの整備に加え、中山間地域では2車線道路の整備だけでなく局所的な線形改良や待避所の設置などの手法を併用することを盛り込んだ。
提供:建通新聞社