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滋賀産業新聞
2021/07/07

【滋賀】彦根市俳遊館の耐震改修

 彦根市は、市の景観重要建造物であり耐震性の問題で今年1月から閉鎖されている本町1丁目の「彦根市俳遊館」(旧彦根信用組合本店)について、外観を損なわない改修手法や費用対効果を検討するための基礎資料となる現況調査を、去る6月29日の入札でヤスザワ設計(彦根市)に委託した。9月末までの調査結果に基づき、今後の建物の利活用方法も含めた対策方針を今年度中をメドに決め、予算規模等に応じ順調にいけば22年度(令和4年度)補正なども視野に対策工事費の予算化を見据えていきたい考えだ。
 「俳遊館」(本町1丁目3−24)は、旧彦根信用組合の設立本店として1923年(大正12年)に旧白壁町通りとなる現在の場所に建築されたW造2階建、延263平方b規模の寄棟造、カラーベスト葺、2階窓のマリオン、曲面上部垂れ壁―など大正時代の近代化遺産を代表する特徴を備えた建造物。昭和40年代には滋賀中央信用金庫の彦根店、個人所有から最終的に建物・土地とも市の所有となり、96年(平成8年)に市が建物一部を改修し「俳遊館」をオープン。
 しかし19年度(令和元年度)の調査で耐震性に問題があることが分かり、来館者の安全のため今年1月から建物を閉鎖。市の景観重要建造物で文化・観光機能を担うことから、外観を損なわない可能な耐震化工法や事業費規模・費用対効果、今後の利活用方法も含めて検討し、最終判断する方針。彦根市には、江戸時代の松尾芭蕉をはじめ数多くの句碑が残されており、俳遊館では、句碑をはじめ俳句にまつわる展示や市内各所の投句箱を通じての句会などのイベントを催しており、レトロな外観も見どころとなっている。

提供:滋賀産業新聞