日本工業経済新聞社(群馬)
2021/07/05
【群馬】国土交通省高崎河川国道事務所は三国防災道路予備設計などに着手
国土交通省高崎河川国道事務所は、国道17号の三国防災道路予備設計、綾戸バイパス落石防護柵詳細設計、国道18号城下交差点改良詳細設計の3業務を一括して八千代エンジニヤリング(東京都台東区)へ委託した。年度末までの履行期限とし、今後の工事発注に備える。三国防災道路は約2・3km区間の道路線形改良工事を計画。橋梁整備なども見込まれている。
三国防災の全体は、みなかみ町羽場から県境を越えて新潟県湯沢町三国までを結ぶ17・4km区間。道路予備設計の対象はみなかみ町永井地先の永井地区1・65km区間とみなかみ町猿ヶ京温泉地先の新三国大橋地区0・69km区間。業務は平面線形や縦横断線形を検討するとともに、必要となる橋梁など主要構造物について位置などをまとめる。現在新三国トンネルの工事を施工中。トンネルに至るまでの現道は線形不良により見通しが悪く、安全な通行を確保するための道路線形改良を行う。予備設計完了後は道路や構造物詳細設計に着手する。
綾戸バイパスは、渋川市上白井から沼田市岩本町までを結ぶ2・3km区間に整備する。区間内には前橋市側から綾戸第1トンネル(L538m)、綾戸第1橋梁(L223・3m)、綾戸第2トンネル(L565m)、綾戸第2橋梁(L268・1m)を整備する。設計対象の落石防護柵は、渋川市赤城町棚下地先に整備する県道下久屋渋川線との取り付け道路の東側に面する急傾斜地が対象。延長は約120m。設計をまとめるとともに施工数量などを算出する。なお、渋川市側に新設する橋梁の左岸側下部工を沼田土建(沼田市)が施工中。渋川市綾戸地区は地形が急峻で、17号への落石の危険性があり、またカーブによる見通しが悪いことからバイパス整備を進めている。
安中市安中4丁目地先で18号と県道安中榛名湖線が交差する城下交差点の改良は、18号高崎安中拡幅事業に伴い、城下交差点南側の県道に右折車線相当幅員を確保するもの。右折車線相当幅員は、交差点で右折車線としての幅員を確保できない場合に、右折、直進など路面上での矢印表示で交通混雑の緩和を図ろうというもの。詳細設計は交差点容量や路面標示、歩道巻き込み形状などについて検討する。
綾戸の落石防護柵、18号の城下交差点改良は詳細設計がまとまるため、用地買収や予算状況にも左右されるが、早期の着工が見込める。一方、三国防災は2つの工区がともに予備設計のため、計画の具体化を図るとともに、詳細設計、工事へと進める。