国土交通省四国地方整備局は「四国ブロックにおける社会資本整備重点計画」の原案をまとめた。防災・減災が主流となる社会の実現など六つの重点目標を掲げるとともに、高知港海岸保全や肱川水系流域治水などの取り組みを含む17の重点施策を設定する。今夏の大臣決定を見込む。
重点目標として掲げるのは@防災・減災が主流となる社会の実現A持続可能で暮らしやすい地域社会の実現B経済の好循環を支える基盤整備C持続可能なインフラメンテナンスDインフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)Eインフラ分野の脱炭素化―。その上で、これらの達成に向けた17の重点施策を設定する。
防災・減災の分野では、高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業を、2031年度完成を目指して進める。20年度時点の残事業費は直轄・補助・交付金を含み488億円。「平成30年7月豪雨災害」などを踏まえた肱川水系流域治水プロジェクトには、20年度時点の残事業費約1057億円を見込む。
持続可能で暮らしやすい地域社会の実現と生活の質の向上に向けて、松山市のJR松山駅付近連続立体交差事業を24年度完成目標で行う。同市の松山外環状道路の一部となる国道56号松山外環状道路空港線も24年春ごろに完成させる。
経済の好循環を支える基盤整備として、香川県高松市・坂出市の県道高松坂出線(五色台工区)の整備を進める。完成時期は未定。高知市の高知港三里地区国際物流ターミナルは、25年度完成を目指す。
インフラメンテナンス関連では、吉野川河川改修事業(榎瀬川樋門改築)や高知空港施設更新事業を進める。
DXの導入・活用に関しては、車両位置情報共有化システムと連携した「排水ポンプ車状態監視装置(DSシステム)」を25年度までに展開する。BIM/CIM、ICTを活用した業務・工事の推進も図る。
四国地方の社会資本整備戦略会議では、四国新幹線の整備について、香川県の浜田恵造知事や四国経済連合会の佐伯勇人会長が「他地域との競争力強化のために重点計画に盛り込んで推進するよう」注文を付けた。
提供:建通新聞社