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日本工業経済新聞社(群馬)
2021/07/02

【群馬】板倉町は避難所の建設に向けて

板倉町は西岡地区および海老瀬地区の2カ所で計4万u規模、自動車1200台が避難可能な緊急避難場所整備計画を進めており、6月に基本設計業務および測量業務に着手した。土地収用法の申請などを行うため、工事は2022年度に実施。着工は9月ごろとなり、単年で完了させる。用地交渉は約20人の地権者と3回ほど行っており、おおむね理解が得られている状況。工事費は両地区合わせて1億3600万円を見込む。
緊急避難場所は洪水時の避難対策として町内の高台を利用。同町は県東端低平地で、国土交通省の利根川水系利根川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)では、河川氾濫が発生した場合、町内のほぼ全域が浸水想定区域となる。全人口の95%に当たる1万4000人余りが避難対象とされる。このような状況下で、町の北部と東部の一部に高台の非浸水区域があるため、高台を利用して整備をすることとなった。
西岡地区の整備予定地は北部公民館(西岡485−2)の西側、1万6500uで整備する。660台の駐車が可能となる。海老瀬地区は東小学校(海老瀬4822)の校庭から道を挟んで南東側の1万3500u。540台が駐車可能となる。
駐車場1台分の区画は5m×2・8mで面積は約25u。中央通路幅は10m、駐車場の外周通路は幅6mで設置する。
設計業務はアイ・ディー・エー(高崎市)が担当。両地区合わせて4万1000uで測量設計を進めている。納期は22年1月31日まで。
工事内容は農地を整地し、置換工は山砕100−0で30p、路盤工はRC40−0を15pで行う。大規模な盛土工や避難場所への新たなアクセス道路整備は計画していないが、避難時に想定される渋滞の緩和に向けて、入口の確保や避難場所内の通路を設けるなどの詳細を設計の中で決定する。
駐車場としての避難所を整備する理由について町の担当者は「19年の台風19号の教訓から、避難住民の多くが車で避難したこと。また、利根川中流域の自治体で構成する協議会において車中避難の有効性が示され、さらにペット同伴避難への対応ができることなどから、車中避難可能な避難場所を整備し、河川氾濫時における犠牲者ゼロを目指したい」と話す。