新たな需要への対応策を盛り込んだ「境港港湾計画」の改訂内容が国の諮問機関・港湾分科会で了承された―。今後2030年代半ばまでに既設施設の再編や新規岸壁を整備し、貨物量や旅客人数の増加に対応する。1日、県土整備部が県議会地域づくり県土警察常任委員会に報告した。
国交省の交通政策審議会港湾分科会(会長・小林潔司京都大学経営管理大学院特任教授)は6月21日、境港港湾計画の改訂案を妥当と認めた。
県空港港湾課の説明によると、同港港湾計画の大幅な改訂は2005年6月以来。19年度に策定した「長期構想」を踏まえ、バイオマス燃料の輸入増や金属くずの輸出増など今後、求められるニーズに対応して港湾施設の機能強化を図る。
目標年次は30年代半ば。計画貨物量を19年比140万d増の年間510万dに、旅客人員は18年比10万人増の年間30万人の達成に向け、物流拠点と山陰随一の賑わい拠点としての役割を果たしていく。
今回の改訂案は今年3月に開かれた地方港湾審議会でも適当と判断されていた。今後、国から答申結果の通知を受けた後、境港管理組合の決裁を経て改訂決定を告示する。
同組合と直轄で向こう、おおむね15年で整備する主なハード事業は次の通り。
▼昭和南地区=コンテナターミナルの拡張で新規岸壁水深12b、230bと土地造成、2号岸壁(水深10b、185b)の耐震改良▼中野地区=既存岸壁の延伸240b→250b、ふ頭用地整備7・8f▼竹内南地区=既存岸壁の水深10b→10・5bへの増深▼境港公共マリーナ=東側沖合に用地造成1・8f、防波堤形状の変更340b▼江島地区=既存岸壁(水深9b)の延伸165b→250b、外江地区=岸壁整備100b(ドルフィン)
日刊建設工業新聞