大津市は、建て替えが検討されている大津市役所庁舎(御陵町)について、22年3月末をメドに「移転」を主軸とした庁舎整備基本構想をまとめる考え。
同構想のなかで、新庁舎の規模、建設候補地の立地条件の検討、建設候補地ごとの事業化の比較検討、用地取得の有無、整備手法や仮設庁舎の必要性などの検討、仮設庁舎、現庁舎の解体までのスケジュール。その後の移転新築の場合について、現庁舎跡地の利活用方法など検討する。
同市役所本庁舎については、2004年度に庁舎の耐震診断を実施し、その結果、本館及び別館において耐震性能が不足していることが判明。同年度に庁内の検討組織である庁舎整備検討委員会を立ち上げ、庁舎の現状と課題や、今後のあり方等についての検討をスタートし、翌年度には、庁舎建設実行可能性調査を実施、庁舎整備の実行の可能性等について検討を行い、外部委員会組織である庁舎のあり方検討委員会を設置。耐震性能が不足している庁舎への対応として、10年度にSRF工法による庁舎本館柱耐震補強工事を実施し、一部躯体部分の耐震補強の対応をしてきた。庁舎整備の検討は一時期において中断期間があったが、その間に庁舎敷地北側に隣接する国有地を庁舎整備用地として活用するため、財務省近畿財務局と調整を図り、隣接旧国有地を活用した庁舎整備の検討を行い、本館は免震レトロフィット工法による耐震性能を補強して改修、別館は解体してその跡地と旧国有地を活用して新棟を建設することとする庁舎整備基本方針を示した。整備用地の一部として隣接旧国有地を16年度に財務省近畿財務局から払い下げを受けている。
また、別館と一体化している老朽化が著しい中消防署は、びわこ競艇場の駐車場(皇子が丘3丁目)に移転を予定しており、早ければ22年秋頃の工事発注を目指している。分離発注方式で、建築・電気設備・機械設備・昇降機設備の4案件で、新築される建物規模は、構造はRC造又はSRC造で、地上3階建又は4階建。延面積は2000〜2700平方bを想定。完成は25年7月頃で、予定工事費は約12億円を見込む。移転先の対象となっている駐車場は、面積1万2804・72平方bのなかの約2600平方bで、県では、中消防署が移転した時の対応策として、びわこ競艇場の駐車場が満車時の場合は、旧第3スタンド、管理棟等を解体して駐車台数の確保も検討。
なお、大津市庁舎整備基本構想策定支援業務は、佐藤総合計画関西オフィス(大阪市中央区)が担当。
提供:滋賀産業新聞