県健康福祉部児童家庭課は、児童虐待対応件数および一時保護児童数の増加に伴い、一時保護所の定員超過状況の改善と管轄規模の適正化に向け、印旛郡市と松戸市・鎌ケ谷市を管轄する児童相談所2か所を新設する。2021年度に建設予定地の敷地測量を実施するとともに、基本設計等に着手する。6月補正予算案において、敷地測量737万円、土壌調査(地歴調査)415万8000円を計上するとともに、基本設計等業務委託に限度額1億100万円の債務負担行為を設定した。
基本設計等業務委託では、建築・電気設備・機械設備の基本設計と、地質調査を予定。基本設計等の発注業務は県土整備部営繕課に委託する見通し。
印旛郡市を所管する児童相談所については、印西市牧の原地先の県企業局の所有地を建設予定地とする。敷地の全体面積約2万7000uのうち、約7000uを使用。
松戸市・鎌ケ谷市を所管する児童相談所は、松戸市高塚新田地先の松戸市有地が建設予定地となっている。敷地の全体面積約1万6000uのうち、約7000uを使用する。
建設予定地に関しては、児童相談所の持つ市町村援助機能や相談機能、一時保護所機能などの役割を踏まえ、未利用の公有地の活用を基本に、交通機関等の利便性や周辺環境等の諸条件を勘案して選定した。
21年度に敷地測量等を実施し、21〜22年に度基本設計、22〜23年度に実施設計をまとめる。その後、24年度に着工し、24〜25年度に工事を進め、26年度の開設を目指す。
施設整備にあたっては▽安心で安全な利用環境の確保▽一時保護環境の充実▽職員の執務環境の向上――を実現。
具体的には、子どもや家族等の相談者が、安心で安全な環境の下で気軽に相談等ができるよう、プライバシーに配慮したレイアウトにするとともに、相談者の声が外に漏れないように配慮した構造とする。
また、居室等は職員が行き届いた見守りができる配置とし、小学生以上の個室化を基本とする。
職員の執務環境については、ストレスを感じることの少ない執務環境を整備し、さまざまな会議や研修が行えるスペースを確保する。
印旛郡市を所管する児童相談所は、これまで中央児童相談所が管轄していた12市町のうち、成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町を管轄する。松戸市・鎌ケ谷市を所管する児童相談所は、市川児童相談所が管轄していた鎌ケ谷市と、柏児童相談所が管轄していた松戸市を管轄する。