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県内の各自治体で国土強靱化地域計画の策定が進んでいる。南牧村が年度内完了を掲げたことで、全市町村が２０２１年度中に地域計画を策定する見通しとなった。多くの自治体が外注で策定作業を開始している状況。地域計画の内容について、より充実したものとなるよう、国は個別事業の記載を求めている。22年度以降は計画に明記された事業について重点配分、優先採択を行う方針だ。計画内容の充実と情勢に見合った見直しが今後の課題となりそう。
国土強靱化地域計画は、いかなる災害や危機が発生しても被害を最小限に抑え、迅速に復旧・復興できる強さとしなやかさを備えた国土・地域・経済社会を構築するための指針。台風や地震、洪水に代表される自然災害などの危機に対し、ソフト・ハード両面の対策からなる。
県内の自治体においては、県が16年度に地域計画を策定。市町村では、他市にさきがけて館林市が策定に着手。関係各課が連携して取り組み、19年度に策定完了した。同市の地域計画は一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が主催するジャパン・レジリエンス・アワード（強靱化大賞）の国土強靱化地域計画部門で最高位となる金賞を受賞している。館林市に続き◇前橋市◇高崎市◇桐生市◇渋川市◇藤岡市◇榛東村◇下仁田町◇甘楽町◇玉村町◇千代田町−が策定を終えている。
20年２月時点の調査では、３市４町２村が策定の予定がないとしていた。現在は、全自治体が年度内完了を掲げており、スピード感のある対応が広がっている。すでに多くの自治体が策定に取り組んでいるところ。市部としては、全ての市が策定および策定支援業務を委託している。
各市の業務担当は◇伊勢崎市＝応用地質（東京都千代田区）◇太田市＝応用地質◇沼田市＝直営◇富岡市＝アイ・ディー・エー（高崎市）◇安中市＝ぎょうせい（東京都江東区）◇みどり市＝千代田コンサルタント（東京都北区）−。
町村部は、南牧村が22年度完了を前倒しし、21年度完了の方針を掲げた。草津町は情報の取りまとめを行っている。年度内の策定を見込んでいるが、策定方法などは未定としている。
各町村の状況は◇吉岡町＝国際航業（東京都千代田区）◇上野村＝アイ・ディー・エー◇神流町＝アイ・ディー・エー◇南牧村＝直営◇中之条町＝直営◇長野原町＝千代田コンサルタント◇嬬恋村＝アイ・ディー・エー◇草津町＝未定◇高山村＝大輝（東京都府中市）◇東吾妻町＝アイ・ディー・エー◇片品村＝直営◇川場村＝サンコーコンサルタント（東京都江東区）◇昭和村＝外注予定◇みなかみ町＝直営◇板倉町＝アイ・ディー・エー◇明和町＝アイ・ディー・エー◇大泉町＝直営◇邑楽町＝大日本コンサルタント（東京都千代田区）−。上野村と神流町は策定の最終段階を迎えており、７月に完了する。
国土強靱化は計画を策定すれば完了するものではない。策定後に発生した自然災害や社会情勢の変化などを踏まえつつ、不断の見直しが求められる。より実効性の高い計画とするために、掲載情報の更新を続け、具体的な施策を示す必要がある。内容について、国は具体的な個別事業を掲載することを求めている。明記された事業に対して、関係府省庁の交付金・補助金の要綱変更などにより、22年度以降の重点配分、優先採択を実施するとしている。５カ年加速化対策の場合も同様。強靱化に向けた施策を効率的に推進するためにも、計画内容の充実・見直しを続けなければならない。