倉吉市は、施設の再整備を計画している旧国民宿舎グリーンスコーレせきがねについて、再生プランをまとめ、28日に議会へ報告した。
グリーンスコーレせきがねは、2017年から施設譲渡された民間企業が運営していたが、新型コロナウイルスの影響で2020年3月に閉館。施設の閉館による交流人口の減少から、急速な過疎が進行する可能性があると考えた市は、旧国民宿舎の再生を検討。外部委員らによる「再生プラン検討会議」を3回にわたって開き、再整備に伴う計画をまとめ上げてきた。
このたび開かれた検討会議では、最終的な提案内容を市に提示。コスト、持続可能性、地域への貢献などの観点から、運営形態は指定管理者制度が望ましいとし、施設の用途は、宿泊施設と温泉入浴施設に「運動」と「食」の健康要素を取り入れたプランが提示された。
これによると、旧国民宿舎に隣接する宿泊施設「湯楽里」を解体し駐車場にすることで、機能が重複する可能性がある旧国民宿舎と湯楽里の複合化・集約化ができるとした。このプランの現段階の概算事業費は、9億1000万円。内訳は、設計・監理が7800万円程度。解体工事費が1億1000万円、建築・改修工事費が4億3000万円程度、設備工事費が3億円程度を見込んでいる。
このプランの施設再生スケジュールは、今年12月にも設計に着手。2022年6月までに設計を完了させ、同年12月にも工事発注するかまえ。工期は24年12月までで、25年春のオープンを目指すことになる。
市は、指定管理者制度を活用したプランのほか、民間譲渡案なども議会に報告。議員からは「周辺施設との連携も含めて成功に導いてほしい」とする意見があがっていた。
市は今後、運営形態や整備方針など市としての方針を煮詰め、7月20日に開かれる全員協議会で計画を説明。順調にいけば、9月定例会で施設再生に伴う費用を要求する。
日刊建設工業新聞