中部電力を代表とするグループが契約候補者に決まった「第20回アジア競技大会選手村後利用事業」について、事業地内に整備する施設をグループ内の各企業が主体となり開発していくことが分かった。代表の中部電力は事業全体の調整を担う。アジア競技大会で一時利用を予定している施設については、2022年度にも設計に着手する。
同グループは中部電力を代表に、中電不動産、日本エスコン、矢作地所、大和ハウス工業、マザーズ、同朋学園の7社で構成。中電不動産が留学生寮と幼稚園、日本エスコンが複合商業施設、矢作地所・日本エスコンJVが分譲マンション、大和ハウス工業が一戸建て住宅(20〜30程度)、マザーズが複合型福祉施設、同朋学園が大学を開発する。開発に必要な敷地については、将来的にグループ内の各社がそれぞれに取得する見通しだ。
一時利用可能な施設として先行して開発するのは幼稚園、留学生寮、分譲マンション、複合型福祉施設。大会前までに完成させるため、22〜23年度で設計、24〜25年度で工事を行うとしている。
「矢作地所・日本エスコンJVは分譲マンション開発」
矢作地所・日本エスコンJVが開発する分譲マンションについては、戸数として100戸程度を想定。部屋タイプについては今後の検討の中で決めていく。工期についても現時点では未定としている。
「複合商業施設 28年ごろに整備へ」
日本エスコンが開発する複合商業施設については、規模や入居する商業テナントなどを含めて、現時点では未定。中部電力グループが予定している28年ごろのまち開きに併せて、整備を行うとしている。
「同朋大学 中村区の校舎を移転新築」
同朋学園は、名古屋市中村区にある同朋大学を移転新築する計画だ。移転後の建物規模について同大学は「必要な延べ面積は2万平方b程度」と想定。構造や階数などは今後、設計を行い決めていく考え。建設を計画しているのは校舎(2学部)、図書館、体育館、多目的グラウンド、野球場、テニスコート。工事はアジア競技大会後に着手し、29年度の開学を目指す。移転新築の理由について同大学は「学習環境のさらなる充実を図るため」と回答。既存大学の利用方針については「今後、検討していく」としている。
全体の事業地は名古屋市港区泰明町の名古屋競馬場跡地。敷地面積は約15f(新場外馬券売り場込みだと20f)。
今回の事業への参加について中部電力は「経営ビジョンに盛り込んでいる『新たなコミュニティの形の提供』の考えに基づくもの」とし、「従来の事業に加え、市民生活全体のサポートに取り組む」と回答。事業コンセプトの「ウェルネス・アソシエーション」の考えのもと、次世代型のまちづくりに注力するとしている。
提供:建通新聞社