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北陸工業新聞社
2021/06/29

【富山】富山新機軸/技術力と地位の向上を/県コンクリート診断士会会長森直生氏/「産学官のプラットフォームに」

 富山県コンクリート診断士会の第15回(21年度)定期総会がこのほど開かれ、新会長に森直生氏(アイズ総合代表取締役)が就任した。
 同会は07年7月に正会員約40名、賛助会員7社で設立。現在は正会員60名、準会員3名、賛助会員12社に拡大した。会発足時から14年間にわたり、安川榮志氏が会長を務め、森氏は2代目の会長として、舵取り役を担うことになった。「診断士会の発足総会の直前に飛び込みで入会し、正会員の最後の1人だった」と振り返り、「入会時からずっとお世話になった安川会長から、新会長就任の打診があり、引き受けることになった」と説明する。
 15年度総会で、全国組織の日本コンクリート診断士会(JCD)への入会を決め、同時に森氏は副会長に就き、JCDの担当となった。「JCDは全国のコンクリート診断士会をつなぎ、ネットワークするのが役割。我々はJCDの下部団体ではなく、独立した運営・活動を行っている。北陸3県に加えてJCDとのつながり、そこから得られる情報を適切に受発信できるよう、ネットワークをしっかり構築しなければいけない」と気を引き締める。
 北陸3県とJCDとの連携が出始めた矢先にコロナ禍となり、「コロナで会の事業は少なくなりがちだが、リモートを活用するなど、できることはいくつもある。極力、対面やライブでコミュニケーションが取れるよう、できることを模索しながら活動していきたい」との姿勢を示す。
 診断士会の使命として、「技術力の向上、診断士の地位向上に努め、コンクリート構造物の維持管理に貢献し、社会の発展と安全に寄与すること」を挙げる。コンクリート診断士は民間の資格ではあるが、試験は非常に難しい。「診断士は一つの資格でしかないが、会には産学官いろんな立場の方が在籍しており、診断士という資格で串刺しになっている。ざっくばらんに立場と職種を超え、自分の得意な分野を出し合い、勉強して不得意な部分を補える会になるのが一番」と強調する。
 今後の会のあり方として、「インフラマネジメントのプロとして、診断だけでなく、補修方法の提案などいろんなことに対して、診断士会が窓口となることで、産学官のプラットフォームにしたい。そのためには人とのつながりを大切にし、活発に動き参加することが重要」と捉える。さらに、「現在、診断士への依頼は事後処理が多い。今後は、予防保全的な知識も身に付ける必要がある」と先を見据える。
 もり・なおき 1966(昭和41)年6月30日生まれ。54歳。北海道夕張市出身で、18歳まで同市で育つ。富山大学理学部生物学科に入り、経済学科に転学し卒業。交通総合建設(現・アイズ総合)で約13年勤務後、日本交通興業に入り15年勤めた。5月14日に(株)アイズ総合の発行済株式をすべて取得し、代表取締役に就任。自身の名前について、「あるべき姿と現況を見比べ、分析し直しながら生きている」と振り返る。父方の祖父は、地方紙・夕張タイムス創設者の森栄次郎氏で、昨年逝去した父親の剛史氏が2代目の代表を務めていた。

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