福井市は25日、「市立図書館リニューアル事業」の基本設計を公表した。既存の構造体は耐震補強を行ったうえで再利用し、内外装を一新。西側に地域交流センター、東側に閉架書庫をそれぞれ増築し、図書館とセンターの間には、南北に通り抜けが可能で、ゆっくりくつろげる居心地のよい半屋外の「つながり広場」を設置する。
基本設計では「つなぐ」をキーワードに、▽表裏のない地域に開かれた図書館▽居心地のよい空間で誰もが利用しやすい図書館▽誰でも利用できるフリースペースで賑わいを創出▽相乗効果を発揮させる南北軸・東西軸―をコンセプトとし、市民の居心地のよい空間を核に、図書館とセンターをつなぐことで、それぞれの機能(学ぶ・交流)を相乗的に高める複合施設を目指すとした。
RC造3階建て延べ3690・12平方メートル(図書館3179・10平方メートル、別棟511・02平方メートル)の既存規模に対し、整備後の延べ面積は図書館が4491平方メートル、センターが867平方メートル(S造2階建て)。
地域交流センターには、地域や市民が抱える社会課題との接点として、多目的ホール(2階)やラウンジ(1階)を配置。
一方、閉架書庫はS造3階建て。2、3階には市内5図書館の中央館としての機能を強化するため、40万冊以上の閉架書庫を整備。1階ピロティは来館者駐車場とし、悪天候でも利用がしやすい位置に返却ポストを設置する。
現在、福井県建築設計監理協会で実施設計を進めており、工事については22、23年度で実施する予定だ。