愛知県と名古屋市は6月24日、「第20回アジア競技大会選手村後利用事業」を行う民間事業者を公募型プロポーザルで選定した結果、代表法人を中部電力とする計7者のグループを契約候補事業者として決定した。福祉系学部を有する大学や高齢者施設、商業施設などが連動した次世代型のまちづくり「ウェルネス・アソシエーション」を事業コンセプトとして打ち出した。2020年10月に募集を開始し、21年3月に2者から提案書が出され、審査を行った。今後、7〜8月に基本協定の締結、22年度に基本計画協定を行い、整備に着手する。26年の大会開催後、27年度以降、順次供用開始する予定だ。
契約候補事業者(応募者A)は、代表法人が中部電力。構成員は、中電不動産、日本エスコン、マザーズ、矢作地所、同朋学園、大和ハウス工業。デベロッパーや、福祉系学部を有する大学、福祉施設運営企業などが参画した。
提案を求めた対象区域は、都市基盤区域と新場外馬券場売り場を除く全4街区で約15・1f。街区は、1街区が5万6500平方b、2街区が4万2200平方b、3街区が5万0400平方b、A街区が約1900平方b。事業者提案によると、2街区をにぎわいゾーンとして、複合商業施設、3街区と隣接するA街区を学びゾーンとして、福祉系学部を有する大学、スポーツ施設を設ける。1街区は住まいゾーンとして一戸建て住宅、分譲マンション、複合型福祉施設・農園を配置する。選手村整備の提案として、分譲マンションや複合型福祉施設など施設の一部を居住者センター、NOC関連諸室などとして使用することも可能とする案を示した。
全体の概算事業費については、今後の基本計画の中で事業詳細を詰めるため、現時点では非公表としている。
応募者の提案に対する評価委員会(座長・福島茂名城大学都市情報学部教授)の評価は、配点計280点で、応募者Aが189点、応募者Bが150点。事業計画、事業計画実現性の項目で差がついた形となった。
建設に向けての事業スケジュールは、22年度に基本計画協定を締結後、土地売買契約を行う。その後、既設の撤去、基盤整備を行い、選手村としても使用する分譲マンションや複合型福祉施設、幼稚園、留学生寮などを整備し、選手村の用途としての仕様での利用を図る計画。
提供:建通新聞社