京都府の西脇隆俊知事は22日、大戸川ダム(滋賀県大津市)の整備を盛り込んだ淀川水系河川整備計画の変更案に賛同することを明らかにした。
6月議会の代表質問で西脇知事は「気候変動の影響は既に顕在化しつつあると言われており、これまで治水計画において目標としてきた降雨量を大きく上回る激しい雨も想定して、防災減災対策を進めていかなければならないと考えている。そのためには現在、国を挙げて取り組んでいる流域治水を推進していくことが重要である。すなわち、災害リスクを確実に低減できる河川改修や堤防強化などのハード整備を加速させつつ、関係機関、市町村、企業及び地域住民の取組と合わせて、流域全体でハード・ソフト両面から対策に取り組んでいく必要があると考えている」「淀川水系河川整備計画については、京都府からは一段高い目標を設定して、治水事業を新たな段階に設定すべきことを国に申し入れており、こうした意見も踏まえて変更手続きが進められることとなった。4月28日には河川法に基づく関係住民及び学識経験者からの意見聴取を踏まえた変更案が示された。変更案の内容は、第一に府域の最優先課題である桂川や宇治川について、戦後最大を更新した平成25年台風18号洪水を目標として河川整備を行うこと、2つ目に木津川についても気候変動の影響を考慮した一段高い目標に向けた河川整備を行うこと、3つ目に流域治水を推進することなどとなっており、さきほど述べた考えに沿うものと評価している。また知事意見に先立ち実施している関係する18の市町村長への意見照会においては、全ての市町村長から変更案に同意する、もしくは異議がない旨の回答をいただき、更に河道掘削や堤防強化の推進、大戸川ダムの本体着手等のご意見をいただいた」「これらを踏まえ、京都府知事としては、まず変更案に賛同すること、その上で京都府として特に重要であると考える嵐山地区の早急な対策、天ヶ瀬ダムの最大限の活用、木津川等の堤防強化などを重点的に推進すること、大戸川ダムについて徹底した費用の縮減を図りつつ、事業を推進することなどを意見として述べることとしている」と答弁し、費用縮減を求めつつ、大戸川ダムの建設を容認する考えを表明した。