大阪府は、新しい安治川水門の本体のデザインと周辺地域の景観について自由なアイデアを広く募集するため、アイデアコンペを実施する。7月8日〜9月3日に応募を受け付け、10月18日にプレゼンテーションを行い、11月の三大水門景観検討部会で選定結果を発表する。応募作品を踏まえ、新安治川水門の景観設計上のコンセプトを決める。
府は6月21日、2021年度第1回三大水門景観検討部会を開き、新安治川水門のデザインの募集でアイデアコンペ実施に至った経緯や募集方法などについて説明した。
今回の募集形式となる設計競技方式のアイデア公募型は、一般の人も含めて参加対象を広げ、イベント性を主な目的とし、必ずしも実現を前提にしない方式。その後の計画の参考にしたり、防災教育や地域の関心を高めたりする狙いがある。
水門の役割や機能、整備位置などの基本条件のみを設け、自由なアイデアを求める。コンペの対象は安治川水門と、水門を中心とした河川軸や周辺地域。提案の着眼点は水辺の魅力向上、歴史や文化を踏まえた地域らしさの創出、にぎわいの起爆剤となるような提案などを求める。
制約条件では、新水門の整備予定位置や、通常時に河川の幅や深さを必要以上に狭めない構造とすること、水門の形式自体は制限しないこと、水門本体の他、管理棟のデザインも求めることなどを挙げる。
安治川水門の基本設計時の条件には、現在の水門の上流70b地点に、引き上げ式構造ローラーゲートを2門整備し、扉体はステンレスで、塗装しないことを挙げている。
また、同部会では木津川水門の景観設計についても話し合われ、これまでの検討部会の意見を基に、管理橋をI桁形式、屋根形状を陸屋根、階段形状を折り返し階段、防舷材をV字型、扉体構造はガーダ構造を採用することなどを説明した。
提供:建通新聞社