香川県は、2021〜25年度の5カ年を期間とする「かがわデジタル化推進戦略」(仮称)の骨子案をまとめた。基本理念に「安心・便利・豊か 人が主役のデジタル社会・かがわの形成」を掲げ、香川県の特性を生かして自然、歴史、文化を守り、生活、産業、行政のあらゆる分野の発展を支えるとともに、災害や感染症などの危機にも対応した戦略を年内にまとめる。21年度はまず、電子申請などの行政サービスの充実やデジタル技術を活用した行政事務の効率化などに取り組む予定だ。
学識経験者や専門家らで構成する「香川県デジタル化推進戦略委員会議」から助言、提言を求め、戦略を取りまとめる。同じ計画期間となっている次期総合計画「みんなでつくるせとうち田園都市・香川」(仮称)のデジタル戦略に関する具体策を打ち出す。
県では、デジタル技術の一層の利活用で電子化、オンライン化だけでなく、さまざまな地域問題の解決や新たな価値を創造する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の意図をあらゆる分野の施策に取り入れる考え。
また、新たなデジタル技術の進展と、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワーク拡大などの企業活動が変化し、人口集中のリスクと地方分散型社会の必要性が再確認されている。そのため基本姿勢には、デジタル化は「目的」ではなく「手段」として▽迅速な施策展開で試行錯誤を繰り返すトライアル&エラー▽低コスト、低リスクで小さく導入してから全体に広げるスモールスタート▽PDCAサイクルを繰り返す断続的な改善▽民間との協働―を位置付けた。
現状、課題として▽デジタル化の基盤整備▽人口減少・社会経済情勢の変化への対応▽新型コロナウイルス感染拡大への対応▽デジタル技術進展への対応▽「選ばれる香川」の実現▽デジタル人材の育成と活躍機会の創出▽行政の行政プロセスの再構築とデジタル化―を挙げる。
このうちデジタル社会の基盤整備については、解決に向けた方向性として、オープンデータ化の取り組みの推進やマイナンバーカードの普及とともに、WiーFiや第5世代移動通信システム(5G)など通信環境の充実が必要としている。
提供:建通新聞社