京都市は、西京区総合庁舎の新庁舎第1期工事について、令和4年6月頃の着工に向け準備を進めている。
西京区総合庁舎整備事業は、西京区上桂の現西京区役所庁舎(都市再生機構(UR)上桂住宅併設)の有効活用を図りつつ、東隣の上下水道局西京営業所跡とその南側の西京区役所立体駐車場敷地を活用し、西京区役所と保健福祉センター別館を一体化した西京区の新総合庁舎を1期と2期に分けて整備する計画。
第1期庁舎は、旧京都市上下水道局西京営業所(西京区上桂森下町27−1)の解体跡地に建設する。敷地面積は1354・20u。
基本設計を東畑建築事務所(大阪市中央区)が担当した新庁舎は、地産地消として京都市産木材「みやこ杣木」を活用。デジタル社会の進展等に伴う区役所機能の変化にも柔軟に対応できるよう、執務室の無柱化やOAフロア化など、レイアウト変更の自由度が高い設計とした。震度6〜7程度の大地震後にも区の災害対策の中枢としての機能が継続できるよう、建築基準法で定める耐震性の1・25倍を確保する。換気は厚生労働省の推奨する換気量(想定利用者1人当たり毎時30m3)を目安に必要な換気設備を設置。湿度は空気が乾燥しやすい冬季でも40%の湿度を目安に維持できる空調設備を設置する。区民交流ロビーをエントランス付近に配置。また3〜5階にも外部テラスを設け、人々の交流が通りからも見て取れる計画とする。
案内表示は、視覚的に理解を促す絵記号のピクトグラムを採用。エレベーターや多機能トイレを配置し、誰もが分かりやすく、安全に利用できるようにする。
第1期庁舎は、S造一部W造地下1階地上5階建、延3939・93u(建築面積は1048・79u)。建築物の高さは20m(塔屋を含む高さは23m)。
第1期庁舎のフロア構成は、1階に市民窓口課、保険年金課、2階に障害保健福祉課、子どもはぐくみ室、3階に検診室、レントゲン室等、4階に講堂、栄養実習室、5階に多目的室を配置する。
第1期庁舎建設工事は令和5年9月頃に完成させ、令和5年度中の供用開始を目指す。
建築と設備2件を第4四半期に入札 4月公表の令和3年度公共工事年間発注見通しによると、建築工事、電気設備工事、空調衛生設備工事は、それぞれ第4四半期(令和4年1月〜3月)の入札を予定。
概算額区分が4億円以上WTO未満の京都市西京区総合庁舎整備工事ただし、建築主体その他工事、同電気設備工事、同空調衛生設備工事はそれぞれ16ヵ月の工期を見込む。それぞれJVの可能性有り。
先行して旧京都市上下水道局西京営業所の解体撤去工事に着手する。施工は今村建設工業(京都市西京区)。4ヵ月の工期を見込む。
なお東畑建築事務所がまとめた基本計画時点での1期目の庁舎整備に必要な事業費は31億4000万円を見込む。内訳は、工事関連費26億4000万円(設計費、工事費、旧上下水道局西京営業所の撤去費の合計額)、用地費3億4000万円(旧上下水道局西京営業所跡の用地費)、その他1億6000万円(基本計画、地質調査等の各種調査費用、移転費用等の合計額)。
2期目は、URとの土地賃貸借契約期間(令和20年10月まで)を踏まえると、1期目の庁舎整備終了から2期目の庁舎整備開始まで相当程度の期間が空くことになるため、区民のニーズや社会情勢の変化を十分に見据えた上で検討していく考え。
第2期整備完了時は、現時点の想定でS造+一部W造地下1階地上5階建、延約7800u(敷地面積約2600u)。