京都府は、農林水産技術センターについて、農林水産業の成長産業化を実現する拠点施設として機能強化を図るにあたり、基本構想を策定する。
昭和48年築の京都府農林水産技術センター(亀岡市余部町和久成9)については、令和2年11月に機能強化に係るあり方検討会を設置し、農林水産技術センターが実現しようとする姿とミッションの方向性を整理するとともに、各分野のセンターに求められている役割と機能強化の視点を検討。重点化する研究テーマと強化すべき機能をまとめた。
実現しようとする姿とミッションの方向性については、@担い手の減少や小規模・多品目栽培を特徴とする京都府の実情に合ったロボット、AI等を活用した次世代農林水産業の創出A気象変動による病虫害の発生や災害など生産現場で起こる喫緊の課題を速やかに解決する技術の開発B「中食」や機能性等に着目した新たな需要の創出につながる農林水産物の新品種等の開発C最先端のスマート技術を活用でき、経営感覚のある人材の育成D持続可能な農山漁村コミュニティの形成に向けた研究アプローチの実施の5つに整理した。
約50年が経過した施設・設備の改修の方向性を含めた機能強化の基本構想案を策定し、6月議会に報告する。その後、令和3年中に機能強化基本計画を作成する。
京都府の農林水産試験研究は、7つの研究所を産地の利便性を考慮し分散配置しつつ、その機能を農林水産技術センターとして統合。研究の企画調整や進行管理の一元化、分野間の相互連携研究を促進している(センター等としては、農林センター丹後農業研究所、畜産センター碇高原牧場、海洋センター、農林センター森林技術センター(緑化センター)、農林センター森林技術センター、農業大学校、林業大学校、畜産センター、農林センター茶業研究所、生物資源研究センター)。
なお府は、亀岡の府農林水産技術センターの本館について、耐震診断調査を令和元年度にコム・キューブ(京都市中京区)で実施した。本館はRC造一部S造3階建、延2864・59u。