国土交通省四国地方整備局と愛媛県による「2021年度県建設事業調整会議」が県庁で開かれ、中村時広知事は西日本豪雨で甚大な被害が発生した肱川流域の緊急治水対策や高規格幹線道路の整備促進などを要望した。
肱川緊急治水対策について中村知事は「23年度の完了を目指した事業費の確保をお願いしたい」と要望。26年度完成が困難となった山鳥坂ダムについては「致し方ないと受け止めている。可能な限りの早期完成とコスト縮減をお願いしたい」などとした。さらに県の要望として、国道56号津島道路や四国横断自動車道(宿毛〜内海)など高規格幹線道路等の整備促進、松山空港の機能拡充、JR松山駅付近連続立体交差事業などの整備促進、南予地域における緊急土砂災害対策の推進も求めた。
四国地整の丹羽克彦局長は、河川事業について、肱川緊急治水対策の推進に努めたいとする一方、山鳥坂ダムの完成が遅れることになったことをあらためて謝罪し、今後はコスト縮減に配慮しながら早期着手を目指す考えを示した。
道路事業については国道56号津島道路など現道国道のバイパス事業、防災対策事業も着実に推進していくとし、宿毛〜内海ついては「4月に都市計画決定の要請を県にお願いしたところ。都市計画の手続きを円滑に進めて頂くようお願いしたい」などと返した。また、「社会資本整備の整備・管理に対する予算は継続的な確保が必要になっている。本年度から防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策がスタートしているが、予算執行の着実な推進と、地域の実情の多方面への発信をお願いしたい」と国土交通行政へのさらなる理解・協力に期待を寄せた。
提供:建通新聞社