京都府はこのほど、令和3年度重点目標を明らかにした。
建設関連の主な内容をみると、危機管理部は、危機管理センターの整備(常設の危機管理センター設置に向け、基本設計を実施)。
避難道路・放射線防護施設の整備(○PAZ・UPZ市町の重要な避難道路を電源立地地域対策交付金及び原子力災害時避難円滑化モデル実証事業等により計画的に整備(田井中田線、舞鶴宮津線ほか)○原子力災害時における災害時要配慮者の屋内退避施設を整備(特別養護老人ホーム長寿苑等))。
総務部は、PPP/PFI公民連携プラットフォームの運営、府有財産戦略活用推進本部による様々な可能性の検討(○所管部局と連携しながら、PPP/PFI・指定管理者制度など、民間の知恵と経験を活かした利活用の方法を検討するとともに、定期借地権方式の更なる導入や暫定利用としての駐車場貸付けの可能性を探るなど、様々な手法により資産のポテンシャルを最大限に活かす取組を進める)。
未利用資産の利活用(○市況を見極めながら、利活用・売却による収入確保を目指す。令和2年度実績は5施設・1億4000万円、令和元年度実績は9施設・13億3000万円、平成30年度実績は3施設・3億4000万円、平成29年度実績は2施設・1億円)。
政策企画部は、「エリア構想」の推進(○府庁部局横断チームのもと、ハード整備とソフト施策を進め、エリア構想を着実に推進。令和3年3月策定の第2期京都府北部地域連携都市圏ビジョンに基づき、北部7市町とともに、水平型の連携、多様な主体との協働を進め、持続可能な圏域づくりを推進[北部地域]。地域の大学、民間団体、市町等とともに地域プラットフォームを設置し、京都スタジアムを発着点としたサイクルツーリズムの推進や、地域住民等の健康づくりやスポーツ参加の促進など、スポーツ及び健康づくりの先進モデル地域づくりを推進[中部地域]、道路ネットワークの整備に伴い具体化した、城陽市東部丘陵地先行整備地区の整備をはじめとした南部地域のまちづくりを推進[南部地域]。
新たな移住施策の推進(○移住スタイルの多様化や、新型コロナウイルス感染症の影響による働き方やライフスタイルの大きな変化、IT環境の向上を踏まえ移住条例を見直し。移住の更なる促進、移住者が活躍できる地域づくりを推進)。
府民環境部は、老朽化対策・耐震化等の推進(○老朽化する施設の更新、大規模地震に備えた送水管路の耐震化を計画的に推進〈目標…宇治系送水管路の更新・耐震化を令和4年度までに完了〉)。
水道事業の経営基盤の強化及び広域連携等の推進(○京都水道グランドデザインに基づき、広域連携等をはじめ基盤強化に向けた取組を推進○新・府営水道ビジョンの策定(令和5年3月)に向け、有識者や受水市町と協議を進める○府営水道と受水市町双方の適正な施設規模について、受水市町とともに検討○水道広域化推進プラン(仮称)の策定(令和5年3月)に向け、府内3圏域(北部、中部、南部)に設置している広域的連携等推進協議会で協議を進めるとともに、地域にふさわしい広域連携等に向けた検討や取組を推進)。
京都府電気事業の経営基盤強化の推進(○電気事業の今後のあり方について検討○太鼓山風力発電の風車撤去と新たに風力発電を行う民間事業者への円滑な移行を推進)。
エネルギー供給の多様化の推進(○再生可能エネルギーを始め、天然ガスや水素等、環境負荷の低いエネルギーインフラの整備による京都舞鶴港のエネルギークラスター化を推進)。
災害廃棄物の迅速な処理に向けた体制構築(○専門的知見を有するアドバイザーを派遣して市町村の災害廃棄物処理計画の策定を支援〈目標…市町村の災害廃棄物処理計画策定率100%(令和2年度46%)〉)。
環境モニタリング体制の強化(○携帯型アスベスト建材判定機の導入や専門的知識を有する職員の養成により現地測定・指導体制を強化○放射線測定所等の更新、機能充実等により原子力災害発災時の緊急時モニタリング体制を強化)。
再生可能エネルギーの導入加速・需要創出等の推進(○家庭及び事業所への自立型再エネ設備導入(太陽光発電+蓄電池等)を支援〈目標…家庭向け補助500件以上(令和2年度543件)、事業者向け補助10件以上(令和2年度8件)〉)○太陽光発電に加え、風力発電等、多様な再エネ発電の誘致を補助制度を創設して推進○水素需要の拡大に向け、京都舞鶴港及び久御山町周辺地域において実証実験等を実施)。
府庁の省エネ・創エネの推進(○地球温暖化対策条例で定める温室効果ガス排出量の削減目標(2030年度(令和12年度)に2013年度(平成25年度)比40%以上)の達成を目指し、府庁の省エネ・創エネプランを改定○これまでの調査結果をもとに府施設の照明のLED化を進めるとともに、率先した再エネ電力の使用を推進)。
府内国定公園の活用等(○国立・国定公園等の環境保全を図りながら魅力発信・利便向上の整備等を実施〈目標…実施市町は綾部市、京丹後市、南丹市、宇治田原町〉)。
文化スポーツ部は、文化庁の京都移転に向け、オール京都体制で京都の文化を国内外に広く発信(○文化庁が入居する旧京都府警察本部本館の改修及び京都府と共用する新行政棟の建設工事を着実に進める)。
京都が世界に誇る文化と憩いに包まれた交流エリアとして、北山エリアの魅力をさらに高める(○令和2年度に策定した北山エリア整備基本計画に基づき、旧総合資料館跡地等を活用したシアターコンプレックスや府立大学の共同体育館、開園100周年を迎える府立植物園など、北山エリアの魅力向上のための施設整備に向け、事業コストや整備・運営スキームの検討を進める)。
府立医科大学において、機能整備計画の検討を進める。また附属北部医療センターにおいて、地域における中核病院としての役割を果たすために必要な医療体制の検討を進める(○大学・附属病院において、世界トップレベルの医学を地域へ提供するため、関連病院との機能分担を明確にして、施設全体の機能整備計画の検討を進める○医療需要・疾病構造の変化への対応など、附属北部医療センターが北部における中核病院としての役割を果たすため、センターの施設整備に向け、医療資源や医療提供体制を踏まえた将来のあるべき姿の検討を進める)。
社会課題の解決に向けた研究の推進と人材の育成を図るため、府立大学の新たな教育研究体制の具体化に向けた調査・検討を進める(○教育研究体制(学部学科再編等)を検討するとともに、人材需要の動向、学部学科の編成、必要な施設内容、規模の検討など、新たな教育研究体制の具体化に向けた各種調査を進める○北山エリア整備との整合性を図りつつ、アリーナ機能を備えた府立大学、府立医科大学、京都工芸繊維大学の3大学共同の体育館の整備を進める○全学横断による農・食・文化に関する研究と教育を一体的に推進するため、大学改革(農・食関連学部・学科の教育研究体制の構築)や食のR&D機能の強化(機能性食材の開発、和食文化の研究・発信による京の付加価値の向上など)を進める)。
※建設交通部などは次号掲載。