日本工業経済新聞社(群馬)
2021/06/09
【群馬】川場村が役場新庁舎建設を9月ごろ
川場村は9月ごろ、新拠点構想推進事業で役場庁舎新築工事を指名競争入札で発注する。設備を分離せず、建築で一括して入札となるもよう。建物はW造(一部S造)2階建て、延べ床面積約2500uを想定している。事業全体を2工区に分割し、2021年度は第1工区のうち庁舎部分のみを発注する。追って、22年度に交流ホールや図書館、エネルギーセンターなど付帯施設の建設工事を発注する。当初予算で庁舎建設などの費用として限度額13億350万円の債務負担行為を設定している。
新拠点構想推進事業は役場庁舎などの第1工区と産学連携施設を検討する第2工区に分けて実施する。計画地は現在の役場から南西方向の上宿原地区。用地全体2・6haを北側と南側に分ける。北側を第1工区とし、役場をはじめ交流ホールや図書館、エネルギーセンターを整備する。21年度は役場庁舎の建設工事のみを発注する。建物はRC造のエネルギーセンターを除いてW造で統一し、村の木材を積極的に活用する。いずれも2階建てとなる。各棟は2階部分をブリッジで接続する構想。延べ床面積はそれぞれ◇役場庁舎約2500u◇図書館約300u◇交流ホール約450u◇エネルギーセンター約200u−。
造成工事は川場村土地開発公社が発注、関東建設工業(太田市)が担当する。並行してプランツアソシエイツ(東京都中野区)による庁舎などの設計が進められており、いずれも9月末までの完了を目指す。造成および設計の準備が整った後、速やかに工事発注する。指名競争入札を行う方針は固まっているが、JVを対象とするかなど詳細は検討しているところ。
役場庁舎は1階部分に各課の事務室や窓口、町長室などを配置、2階を会議室や議場で構成。会議室は災害発生時に災害対策室として機能する。エレベーター1基を整備するなど、バリアフリー化やユニバーサルデザインを意識した施設となる。2階部分のブリッジで図書館や交流ホールなどと移動できるような構造。屋根はガルバリウム鋼板で仕上げ、太陽光パネルを設置する。
当初予算で庁舎建設や外構工事、設計監理費などの予算として限度額13億350万円の債務負担行為を設定。期間は21〜22年度。うち、5億7750万円を新拠点構想推進事業の工事費として計上した。
庁舎建設は22年度中に完了、23年度供用開始を目指す。第1工区に位置づけられているホールや図書館、エネルギーセンターは22年度の当初予算で工事費を確保して発注する。発注方法など詳細についてはこれから検討する。
ホールは講演会が開催可能な施設で、住民集会での利用を想定している。図書館は小規模なもので、学習スペースも備える。エネルギーセンターにはバイオマスボイラーなど自然エネルギーを活用する設備が導入される。このほか、第1工区には農作物加工や飲食業の開業を想定する施設1棟の整備が含まれている。同施設の内容は確定していないため、庁内で調整を続ける。発注は23年度以降となりそう。
第2工区は産学連携や民間業者のサテライト施設を整備する方針となっているが、詳細は未定。庁舎機能が新施設に移動した後に、協議を本格化する。整備内容が固まった後に、造成工事から整備を始める。
現在の役場跡地は、小中一貫校の整備で活用する考え。25年4月の開校に向けて、調整が進められている。校庭として使用する見通し。学校整備の具体的な動きは22年度からとなりそう。