東日本建設業保証の富山支店長に滝沢誠氏が着任した。富山支店勤務は20年ぶりとなる滝沢氏に、支店長就任の抱負や地域建設業を取り巻く環境、同社の使命などを伺った。
−まず、富山支店長就任の抱負からお聞かせ下さい。
当社は1952(昭和27)年の創業以来、前払金保証を通じて、公共工事の円滑な施工と建設企業の資金調達をお手伝いしてきた。来年、創立70周年を迎えられることは、皆様のご理解とご支援があってこそ。感謝するとともに、お寄せいただいている信頼に応え続けて行かなければならない。富山支店の勤務は2度目で気持ち的には楽だが、20年ぶりであり、前回の勤務時から変わっていることも多いと思う。前払金保証制度の活用促進に向けて、丁寧な仕事を心掛けて頑張りたい。
−富山の印象はいかがですか。
立山連峰のほか、黒部川や神通川など一級河川が多く、自然が豊かで、田園風景が身近にある。米や魚、酒、海と山の幸がふんだん。古くは北前船で栄え、電源開発や医薬品、アルミ産業など、豊富な水ときれいな空気を利用した産業が盛ん。とても住みやすいイメージがある。
−富山の地域建設業を取り巻く環境は。
北陸新幹線が開通し、それに伴って公共施設の整備がすごく進んだ印象がある。着任前は公共工事の減少を心配したが、県をはじめ、昨年度末の補正予算を含めた県内の公共事業費は前年並みに確保されている。富山県は立山砂防のほか、大きな河川をたくさん抱え、橋梁も多い。災害対策を含め、やるべき仕事はまだまだ多い。
−改めて御社の役割、使命をお願いします。
前任の西弘志支店長が就任した2年前は、県内市町村の80%で前払支出基準に支払限度額を設けていた。行政と業界の皆様のご理解、ご努力により、この2年間で大きく改正が進められ、限度額が残る市町村は2カ所のみ。前払金制度は全国一律の基準が望ましいと考え、お手伝いをしてきたので、大変うれしく思っている。また、当社の業務は金融機関との関わりが深い。金融機関の業務効率化のスピードは増しており、当社も対応が必要。支店で出来ることは限られるが、お客様や金融機関に負担を掛けないよう努力したい。
−仕事のモットーを教えて下さい。
お客様の考え、話しをよく聞くことを心掛けている。弊社の職員も努めているが、説明したつもりになりがち。富山は少ないが、東京では初めてのお客様が頻繁に来店される。前払金制度では定められた手続きやルールがあり、初めての方は説明しても忘れてしまうケースが多い。トラブルを未然に防ぐため、折を見てフォローするなど、お客様の立場になり丁寧な仕事をする姿勢が大事。
たきざわ・まこと 57歳。新潟県出身。新潟商業高校卒業後、82年4月入社。85年3月新潟大学商業短期大学部卒業。新潟支店を皮切りに新宿支店、建設経営サービス、富山、新潟、長野、大阪、群馬の各支店に勤務。4月1日付で本社営業部営業第二課長から現職。愛読書は、ディックやル・グウィンの作品。好きな映画は「夜の大捜査線」と「砂の器」。読書も映画も現実逃避ですねと笑う。