県文化スポーツ部文化財保護課は、幻の安土城復元プロジェクトにかかる計画策定について、今後のスケジュールや計画内容等を明らかにした。
特別史跡安土城整備基本計画として、21・22年度で同計画を策定し、安土城跡(追加指定予定地域含む)を対象に、発掘調査、適切な保存・活用のための環境整備、調査整備事業の年次計画など、全体計画を定める。5月に開かれた第1回・計画策定検討会議のなかでは、全体構想を検討し、最終となる23年2月に予定している第6回・同会議を経て、最終案を常任委員会で報告する見通し。
また、「幻の安土城」見える化基本構想については、最新のデジタル技術を活用した安土城復元を決定しており、同構想は21年度に策定する。構想の概要は、特別史跡安土城跡、滋賀県立安土城考古博物館、安土城下町跡を含む一帯を対象地域とし、デジタル技術を活用した見える化の方法、安土城跡・博物館・城下町の在り方を検討していく。スケジュールは、8月にも第1回・構想策定検討会議を開き、22年2月の第3回・同会議を経て、常任委員会に最終案を報告する。全体構想の範囲は、特別史跡安土城跡だけでなく、城を中心にその周囲に広がる城下町跡や、安土城についての情報発信拠点として機能強化を図っている滋賀県立安土城考古博物館、その他近江八幡市の施設等、周辺地域を含めた広域を対象。また、プロジェクトの目標でもある、26年の築城450年祭についても、全体構想の中で位置づけを図る。
県では、19年度にスタートした幻の安土城復元プロジェクトは、安土城の実像を解明し、目に見える形で復元し、安土城の価値や魅力をより多くの人に発信することを目的として実施されている事業。安土城の全容解明に向け、令和の大調査とする調査整備計画を策定し、未調査部分の発掘調査を実施し、建物が無くても石垣を見学に来る観光客のためにも、「石垣等を見せる」という整備を進め、環境整備や、樹木の整理等を図る。「幻の安土城」見える化基本構想は、▽現状の調査・把握・分析と課題の整理▽全体構想の策定▽安土城跡におけるデジタル技術を活用した見える化の方向性の決定▽安土城見える化がもたらす波及効果の検討―など着手し、26年度の「安土城築城450年祭」に向けて事業を進めていく考え。
なお、特別史跡安土城跡整備基本計画書作成補助は、空間創研(京都市下京区)が担当。
提供:滋賀産業新聞