七尾市は1日までに、学校施設の建物や設備などの老朽化対策を図るため、長寿命化へ向けた個別施設計画を策定した。計画期間は21年度から30年度までの10年間。今後40年間に必要な維持・更新コストについて、改築を前提とした「従来型」と比べ、大規模改修や部位修繕を適切に行う「長寿命化型」では104億円を削減できると試算した。
市内の10小学校、4中学校、共同調理場5棟を対象に各施設の劣化状況を判定し、10年ごとの整備計画を取りまとめた。今後必要となる維持・更新コストに関しては、従来型で446億円(年平均11億1000万円)になると試算。しかし、長寿命化型で進める場合は342億円(同9億円)となり、大幅な整備事業費の削減が見込めるとしている。
市は今年度、七尾東部中の大規模改修に向けた実施設計に着手しており、22年度から複数年での工事を予定している。整備計画には、築35年以上経過している天神山、和倉、能登島の3小学校について、25年度までに長寿命化改修を行う方針も盛り込んだ。
市は個別施設計画に基づき、更新・長寿命化対策を計画的に進めることで、財政負担の軽減や予算の平準化を図るとともに、学校施設に必要な機能と性能を確保していく。今後の児童生徒数や校区再編、統廃合などを見据えた施設の適正配置にも努める方針としている。