野洲市は、近年の台風や暴風雨などにより、JR野洲駅周辺で浸水被害が多発していることについて、駅前の浸水被害に係る軽減対策として、童子川第4排水区の雨水幹線事業を進めている。現在、普通河川祇王井川分岐部からJR横断上流部の準用河川友川接続部までの区間(677b)の基本設計を進めており、これを11月末にまとめ、実施設計については23年、24年度の2ヵ年を掛けて行い、工事は24年度から26年度の3ヵ年を予定している。
同市は、駅前南口の一級河川妓王井川へ流入する雨水量を減らすため、妓王井川流域の一部(15・3f)を童子川流域に編入し、祇王井川から友川までの雨水幹線整備事業を進める。今回の設計では測量データをもとに、どのような工法でで実施するか(推進工法やシールド工法が想定されている模様)、また材料についてもヒューム管やボックスカルバートで進めて行くかなどを検討する。過去に祇王井川から旧笠作踏切付近のJRを横断し、友川へ送水の予定だったが、同市は新たなルートとして、祇王井川から旧笠作踏切付近までの区間L377b、踏切手前から守山駅方向の三宅慂付近の区間L300bを進めていき、友川上流へ送水する計画に変更。送水方法としては、祇王井川から三宅慂付近までは自然流下で水を流し、三宅慂付近に雨水ポンプを設置し友川へ送水する予定。
これまでのJR横断部工法について、JR西日本と協議を進め基本設計まで行ってきたが、自然流下を前提に軌道への影響を及ぼさない工法として、経済性、施工性、安全性等の観点から検討した結果、軌道からの土被り不足等により、軌道の安全性を確保するための高額なJR対策費や、工事の施工期間及び施工時間の制限があり、事業スケジュールの長期化等の課題が明らかになっている。このため同市は課題解消に向けて、新たなルート案を検討した。
なお、この基本設計はオリジナル設計滋賀営業所(大津市)が担当している。
提供:滋賀産業新聞