京都府は、新たな移住条例の来年4月の施行を目指し、6月議会への報告後にパブリックコメントを実施する。
5月27日にオンライン開催の京都府新たな移住に関する条例検討委員会で、新たな移住条例の考え方案について審議するとともに、新条例における移住促進特別区域のイメージ案を審議した。
現行条例の取組範囲は、府が指定する移住促進特別区域への移住で、主に農村地域を中心とし、田舎ぐらし(農業の担い手確保)を支援する形。移住促進特別区域の指定地区は、累計16市町村103地区。移住促進特別区域人口は、丹後、中丹、南丹で特区人口10万1382人(管内人口42万2368人)。
新たな移住条例の目指す方向は「多様化する移住ニーズに対応した移住の促進、移住者等の活躍応援」「地域の担い手として活動する関係人口も施策の対象に追加」。基本理念は「移住者の多様なニーズへの対応と移住者等が活躍できる地域づくりの推進(=市町村が地域の特性を生かした重点地域・テーマを定めて移住促進)」→分かりやすい特色を積極的に発信。
取組地域は「市町村が地域の特色や求める移住者増を示す区域」とし、移住促進特別区域は、人口集中地区も含めて指定可能とした(旧移住促進特別区域は、みなし指定)。
新条例で新たに指定する移住促進特別区域は、地方都市の中心部も可能(農村漁村等の周辺地域への効果が波及)とし、市町村がテーマに沿った施策を実施(▽移住人材の仕事づくり▽移住人材の場づくり)、空き家活用(▽不動産取得税の軽減▽補助金の交付(改修支援等)▽金利負担の軽減)を挙げた。
新たに「まちづくり支援区域(仮称)」を設定。子育てに優しいまちなど、市町村が受け入れのテーマを設定し、移住者等への支援を行う。
検討委では、鉄道駅前での起業拠点やテレワーク・コワーキング拠点の整備により、新たな働き方を提案し、移住を促すなどの移住促進特別区域の想定例も示された。
今後は、6月議会に新たな移住条例の考え方案を示した上で、パブリックコメントを行う。その後、新条例を議会に提案し、令和4年4月施行を目指す。