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建設経済新聞社
2021/05/27

【京都】福祉系3センター一体化施設 9月市会に工事契約案提出へ 全体完成イメージ図を公表

 京都市は26日、地域リハビリテーション推進センター、こころの健康増進センター、児童福祉センターの3施設一体化整備の新施設について、設計概要を明らかにした。
 上京区の児童福祉センター、中京区の地域リハビリテーション推進センター、こころの健康増進センターについて、3施設一体化施設として新施設を京都市立病院北側に位置する旧京都市衛生環境研究所跡地4380uと隣接する元こころの健康増進センター跡地1590uを合わせた敷地5970・81u(中京区壬生東高田町1−15、1−20)に建設する計画。建設予定地の用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、20m第3種高度地区。
 本館棟(仮称)の規模はRC造一部S造5階建、延約1万2589u(建築面積約3436u)。敷地北側の松原通沿いに駐車場を配置。その南側に前面道路から約25mセットバックして計画建物を配置し、計画建物の南側に園庭を配置する。計画建物の高さは20・00m(塔屋を含む高さは22・95m)。
 設計は内藤建築事務所(京都市左京区)。
 新築工事関連費は約53億円(新築工事費約51億円、工事監理委費等約2億円)。
 WTO対象の建築工事、概算額区分が4億円以上WTO対象未満の電気設備工事、空調衛生設備工事をそれぞれ第2四半期(7〜9月)に入札する。それぞれ工期は21ヵ月で、JVの可能性有り。このほか、概算額区分が1000万円以上WTO対象未満の工事監理業務委託を第3四半期(10〜12月)に入札する。工期は24ヵ月。
 4月に土壌汚染対策(要措置区域)工事に着工した(〜6月)。8月から既存建物の地下部解体工事及び土壌汚染対策工事(要措置区域外の一部範囲)に着工する(〜12月)。
 その後、9月市会に新築工事請負契約議案を提出する。令和4年1月から新築工事に着工する。工期は令和5年9月の予定。開所時期は今後調整する。
 なお市は、予算措置として、令和2年11月補正予算で一体化整備事業に限度額3500万円の債務負担行為を設定。土壌汚染調査で判明した土壌汚染の対策工事に着手する費用に充てる。
 令和3年度当初予算には4億円を計上するとともに、51億9200万円の債務負担行為を設定(期間は令和4年度及び5年度)。
      ◇      
 新施設は、1階に3センターの相談窓口、2階に診療部門をそれぞれ集約し、また連携事案に迅速に対応するため、職員の主軸動線となるエリアとしてスタッフコアを各階の建物中心部に設け、各部門(上下階)を専用階段等でつなぐなど、3センターの連携体制の強化が図れる諸室配置とした。
 フロア構成をみると、1階は相談部門として▽身体障害者更生相談所▽高次脳機能障害者支援センター▽精神保健福祉センター(デイ・ケア事業以外)▽児童相談所▽発達相談所(発達相談部門)▽知的障害者更生相談所▽発達障害者支援センターかがやき、共用諸室等として会議室を配置。2階は診療部門・児童支援部門として▽地域リハビリテーション推進センター診療所▽こころの健康増進センター診療所▽児童福祉センター診療所▽児童発達支援センターうさぎ園(療育(難聴))、共用諸室等として倉庫・書庫を配置。3階は児童支援部門として▽児童相談所▽児童発達支援センターこぐま園(療育(知的))、共用諸室等として会議室を配置。4階は障害者支援部門として▽障害者支援施設(通所)▽精神保健福祉センター(デイ・ケア事業)▽朱雀工房(就労(移行・継続B型・定着)支援事業)▽障害者地域生活支援センターなごやかサロン、共用諸室等として体育館・研修室を配置。5階は障害者支援部門として障害者支援施設(入所・通所)、共用諸室等として倉庫を配置する。
 1階・2階は、バリアフリートイレを各階に設けるほか、児童福祉部門側には「親子トイレ」を設置し、授乳室・おむつ替えスペースも併設する。
 4階の研修室は可動式の間仕切り壁を設置する。体育館は可動式の分割ネット(天井吊下げ)を設置する。
 5階の入居者個室は4人部屋を整備する(個室4室と4人部屋4室の計20人分)。
 環境への配慮では、自然採光・通風を促進する光庭の設置、外壁・建具の断熱化(複層ガラスの設置)などにより、積極的な省エネ対策を講じる。再生可能エネルギーの利用(太陽光発電設備)、節水型衛生器具、LED照明の採用などにより、温室効果ガスの排出抑制やエネルギーの高効率利用を促進する。
 敷地からの雨水の急激な流出を抑えるため、雨水流出抑制槽を設置する。
 外装では、大きな庇の軒裏にルーバーとして木材を使用。またエントランスや共用廊下等の壁・天井の内装に木材を使用する。
 防災面では、利用者が施設を安全に利用できるよう、十分な構造安全性やバリアフリーを確保した施設とする。大雨による水害に備え、建物の出入口に止水板を設置する。火災時に在館者が確実に避難できるよう、屋内の避難経路に加え、屋外バルコニーや屋外(屋上)グラウンドへの避難経路を確保する。2階以上は建物を全周するバルコニーを設け、屋外への避難出口を多数設置する。