金沢市は今年度、市立保育所の再整備に向け、適正な配置などを検討するための基礎調査に着手する。少子化の影響を見据え、統廃合や民営化も踏まえた幅広い観点からの全体的な再整備計画を作りながら、各施設ごとに個別の整備計画を策定する方針だ。
市は昨年度、市立保育所あり方検討ワーキング会議を設置し、今後の市立保育所のあり方に関する基本方針をまとめた。施設の再整備に関する基本方針では、現在地での建て替えを原則とするが、土砂災害警戒区域や幹線道路に面するなど危険な場所に立地する施設は移転も視野に入れるべきとされた。
現在、市立保育所は全13施設あり、危険な場所にある施設では、双葉が土砂災害警戒区域のがけ地周辺、公民館併設の宮野が洪水浸水想定区域の河川近く、薬師谷が両区域内に立地。矢木は国道、三馬は生活道路に面しており、園児らの安全確保が危惧されている。
調査では、将来の保育需要や移転を検討する施設の適地などを調べるほか、地域の保育バランスなどを考慮した統廃合や民営化の課題についても検討する。再整備計画では、整備手法や優先度(グループ割)に加え、大まかな整備スケジュールも示したい考え。
市は来年度以降、優先度の高い施設から基本設計に着手し、順次再整備を進めていく方針だ。