松戸市は、市施行による新松戸駅東側地区土地区画整理事業で建設する立体換地建築物の立体換地保留床部分取得事業者について、公募型プロポーザル方式により選考する方針を明らかにした。立体換地建築物に関しては2022年度以降、実施設計・工事等を順次進めていくこととなるが、委託・発注方式を含む事業手法については検討中。立体換地建築物は、事業認可段階で、1街区2画地7124uを用地とし、SRC造14階建て、総延べ床面積3万6976u、総専有面積2万6026uの計画。住宅のほか商業施設、公益施設、福祉施設の複合用途とする方針となっている。建築物の基本設計は、山下設計が20年度に取りまとめた。
新松戸駅東側地区土地区画理事業は、幸谷字宮下、字溜ノ脇の各一部の約2・6haで計画。19年8月16日に事業認可を受けた。事業施行期間は29年3月31日まで。これまでに、事業計画等作成業務・事業認可申請等作成業務・換地設計等業務などを昭和が担当した。事業アドバイザーは三菱地所レジデンス。
立体換地の活用により権利者の生活再建を図るとともに、立体換地保留床部分の処分によって事業採算性を高めることとしている。立体換地保留床部分の処分先となる事業者の選考にあたっては、良質なまちづくり、権利者の生活再建、事業採算性などを総合的に評価する必要があることから、公募型プロポーザル方式を採用する。
21日には「松戸都市計画事業新松戸駅東側地区土地区画整理事業立体換地保留床部分取得事業者の選考に係る支援業務委託」の事後審査型一般競争入札を公告。委託期間は22年3月31日まで。予定価格は600万円(税抜き)。
業務においては、立体換地保留床部分取得事業者の公募にあたり必要となる募集要項案および選考審査基準案の作成に加え、公募・選考審査や優先交渉事業者との協議などに必要な支援を実施する。
具体的には、未処分保留床の発生を防止するため、店舗営業者や不動産仲介業者などにヒアリング等を行うことにより、テナントなどの誘致の可能性を把握。さらに、保留床処分金についてデベロッパー、また建築工事費についてはゼネコンにヒアリングし、調査する。また、立体換地保留床部分取得事業者選考支援として▽実施手順の作成▽募集条件の整理▽募集要項案の精査・修正▽協定書案の精査・修正▽選考委員会運営の支援▽優先交渉権者との協議支援――を行う。
今後は、27日までの入札参加申請期間、6月8〜11日の入札期間などを経て、同月14日の開札。
入札参加資格要件は、市の入札参加業者資格者名簿に「測量・コンサルタント」部門の「建築:建築一般」または「土木:都市計画及び地方計画」に登録され、土地区画整理事業および市街地再開発事業の一体的施行(同時施行を含む)の事業に係るコンサルタント業務を履行した実績を有していることなど。