石川県土木部営繕課は21日、金沢市丸の内地内「金沢城公園整備(二の丸御殿)工事(玄関・式台等)基本設計委託」について、文化財建造物保存技術協会(東京)から見積もり徴集し、2870万円で随意契約を締結した。
業務内容は、御殿(建築基準法上の取り扱いは博物館)W造平屋建て約1000平方メートルの基本設計となる。主要室は展示室、管理運営室。委託期間は22年3月31日まで。
1881(明治14)年、当時管理していた日本陸軍の失火により焼失した二の丸御殿は、建坪3200坪(約1万600平方メートル)におよぶ城内最大の建築物となり、「表向」(おもてむき、約1800坪、藩主が藩政を司る儀礼の場)、「御居間廻り」(おいままわり、約700坪、藩主の日常生活の場)、「奥向」(おくむき、約700坪、城に居住する女性たちの生活の場)―の3エリアに大別される。
県ではこの中から、古図や遺構確認調査などにより全容が解明されつつある「表向」のうち、台所部分を除いた主要部約1000坪を先行して復元する。
「表向」の復元は、3期から5期程度の段階的整備を想定し、1期にあたる玄関、式台周辺を経て、復元範囲を大広間(約410坪)、書院等(約400坪)へと順次拡大していくことにしている。