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建通新聞社四国
2021/05/21

【高知】新しい情報発信を 県の建設業活性化プラン検討委

 高知県は建設業活性化の新プラン策定に向け、有識者による第2回検討委員会を開いた。第1回検討委員会での意見や追加ヒアリングの結果を踏まえ、女性が活躍しやすい広報活動の強化や、外国人材が活躍できるような国への政策提言といった人材確保策や生産性向上などの取り組み内容を示した。委員からは、児童生徒や保護者に対して新しい情報発信を求める声や、建設業のデジタル化を求める意見が出た。
 検討委員会は、高知工科大学の磯部雅彦学長を委員長とし、建設関連団体、女性技術者、中学校・高校の校長、外国人材の活用に取り組む団体や外部有識者で構成。2月に開いた第1回委員会では、将来の担い手となる児童生徒や保護者、教員に対し、建設業の魅力発信やアプローチを強化すべきという意見が多く出た。県では、これらの意見に加え、専門工事業者や外国人材を雇用する建設会社、女性経営者にヒアリングを実施し、その結果も踏まえ新プランの対応方針案をまとめた。
 このうち児童生徒や保護者へのアプローチ強化では、出前授業や現場見学会の実施、若手技術者と児童生徒の意見交換会、職場体験やインターンシップを受け入れ可能な建設業者のリストと学校への提供などを示した。女性や外国人材の確保に向けては、女性が活躍しやすい広報活動の強化、外国人材が幅広い職種で活躍できるような国への政策提言を盛り込んだ。
 その後の委員による意見交換では「子どもたちの目に付き、心に残るようなアプローチをしなければならない」「YouTubeやインスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)を使った情報発信を」などの提案が出された。また磯部委員長は「DX(デジタル・トランスフォーメーション)ができる建設会社が若者を引きつけやすい」と指摘。担い手確保のために最新技術のデジタル化が必要との考えを示した。
 現行のプランは14年2月に策定し、品質や担い手の確保、建設業活性化への支援などの取り組みを進めてきたが、若年者層を中心に建設業従事者が減少していることから、プランの見直し作業を進めている。
 今後は7月に開催する次回委員会で中間報告案を協議・決定し、県はすぐ実行できる事業について9月補正予算に要求する考え。さらに11月の第4回会合での最終案決定を経て、22年度以降の取り組みに反映させる。
提供:建通新聞社