県土木交通部流域政策局はこのほど、丹生ダム建設事業の中止に伴う地域整備実施計画(21年度)を策定。県道中河内木之本線において、3・3qの道路拡幅工事や、12橋の橋梁拡幅予備設計など今年度に進めていくとする事業内容を明らかにした。
地域整備事業の概要として、まず道路網の整備では、県道中河内木之本線3・3qの道路拡幅工事、12橋の橋梁拡幅への予備設計を予定。上丹生地先の野神橋においては地中熱を利用した道路融雪施設を整備する。市道菅並線、丹生小谷線、西村線、下丹生上丹生線は、落石雪崩対策、土砂流出対策、舗装修繕を引き続き実施していく。
高時川の河川整備では、菅並地先で護岸整備L200bに着手する予定、河川維持管理は昨年度から引き続いてモニタリング調査(湖北高田町)を行う。
また、生活関連施設等整備の集落内の消雪施設整備、用水路改修については、関係者間で対応を引き続き調整。21年度のまちづくりは、余呉まちづくり研究会の助言等を実施し、長浜市が同市水源地域振興事業を創設したことから、地域の取組を支援していく。
そのほかに水源地域の山林等の保全と維持管理については、買収済み用地351fの水資源機構から県が引き継ぐ方針を表明しており、関係機関調整に取り掛かっていく。残存山林3150fは、21年度に水資源機構の補償手続きと県への寄付手続きを行い、自然保護地として管理する。付替県道の1・9qは、地元の意向を踏まえた利活用を検討し、集落跡地の整備については、水資源機構が小原地先の整備を昨年度に引き続き実施を予定している。
丹生ダム建設事業は、中止の方針が決定されたことにより、余呉地域の社会資本整備の遅れや、水資源地域の荒廃・過疎化の進行など課題があり、事業中止の影響を緩和するため、地域整備を図ることとし、▽道路網の整備▽水資源地域の山林等の保全と維持管理▽高時川の河川整備▽発生土受入地の利活用▽自然、文化、歴史を活かした地域振興策▽安心・安全な生活のための環境整備―の6項目実現へ地域整備の推進を図る。
提供:滋賀産業新聞