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建通新聞社(中部)
2021/05/20

【愛知】名市 無電柱化 民間活力の導入を検討

 名古屋市緑政土木局は、市管理道路の無電柱化を加速させるため、民間活力の導入を検討する。本年度は予備設計策定済みの延長43`のうち、詳細設計に着手していない区間など約21`を対象に、導入可能性調査を実施して事業化検討を深める方針だ。民間活力導入は、国土交通省の次期無電柱化推進計画案を踏まえ、PFIに限らず包括発注方式や一括施工方式といった、事業期間短縮が期待できる方法を幅広く考慮していく方針。国の次期無電柱化推進計画の施策展開次第では、予備設計を実施していない区間の無電柱化計画も具体化させる考えだ。
 予備設計を実施済みの延長43`は、第一次緊急輸送道路が中心。民間活力導入に向けた調査を行うのは▽名古屋環状線(栄生工区・2区間、2・2`)▽名古屋環状線(笠寺工区・3区間、2・8`)▽広小路線(稲葉地本通工区、2・2`)▽梅ノ木線(千年工区、2`)▽梅ノ木線(野跡工区、1・8`)▽伏見町線(2区間、4・5`)▽飯田線(3区間、5・3`)―の計20・8`。
 PFI方式の他、包括発注方式、一括施工方式など、事業のスピードアップが期待できる民活事業スキームや導入範囲を検討する。事業スキーム案をまとめ、調査対象路線を対象に民間事業者ヒアリングを実施する。その上で、事業実施路線の検討、VFMの算出・評価を行う。
 市の無電柱化の取り組みは、工事を▽黄金通工区(1`)▽五月通工区(2`)▽広小路線・中村公園工区(1・2`)▽北区葵町線(工事延長0・2`)―で展開中。黄金通工区は初弾工事を本年度に開始する。五月通工区は、本体工事が全体の半分程度まで施工が進んでいる。広小路線中村公園付近は、支障移設に着手したが、埋設管の移設までにはいたっていない。葵町線は本年度に本体工事を実施する。
 詳細設計は、本年度は名古屋環状線の北区・西区域で実施する。延長は約5`。また、26年アジア競技大会で選手村になる港北地区の東海橋線(あおなみ線〜名古屋環状線区間)でも、まちづくりに合わせて無電柱化詳細設計を本年度に進める計画だ。
 無電柱化を直営だけで進めるにはスピードに限度があり、民間活力を導入して加速化させる。国の無電柱化推進計画では、前回の3カ年緊急対策で予備設計43`を開始するなど、無電柱化の加速化で大きな成果を得た。次期無電柱化推進計画が本格的に始動した際、現在無電柱化を進めている区間に加え、新たな区間を新規整備箇所として取り入れ、無電柱化を加速させる考え。新たな区間は、緊急輸送道路の他、リニア関連整備区間やアジア大会関係路線などが候補になるとみられる。

提供:建通新聞社