日本工業経済新聞社(群馬)
2021/05/19
【群馬】県建築課が畜産試験場の工事を近く発注
県建築課は畜産試験場(前橋市富士見町小暮2425)で計画している繁殖育成牛舎の新築工事について、近く建築・電気・機械の3分離で公告もしくは指名通知する。建築は一般競争、電気と機械はそれぞれ一般競争と指名競争の両方で検討している。規模はW造平屋、床面積約1850u。また、堆肥舎の建築工事や施設周辺の外構工事も予定しており、それぞれ最短9月の指名通知を見込む。2020年度2月補正予算で事業費5億1232万5000円を確保した。
繁殖育成牛舎は、県家畜衛生研究所から国道353号を挟んで南側の敷地約2万uへ建設する。牛舎内には省力化や低コスト生産の実証や普及を目的として、哺乳ロボットや分娩監視装置、牛の行動を監視し受精時期を判断する装置などのICT設備を設置する予定。同設備は本体工事とは別に畜産課が発注する。時期については、建築工事の進捗を見て判断。専門的な設備となることから、専門業者への随意契約による発注を見込んでいる。基本・実施設計はモアブレーン(高崎市)が担当した。
堆肥舎は同牛舎付近に新設する。規模はW造平屋、床面積475uで計画している。基本設計は同社が作成した。27日に外構を含めた実施設計業務を開札する。
外構工事は2施設の周辺が対象となり、アスファルト舗装のほか柵や屋外照明、車両の消毒装置も設置する。舗装はこれから行う設計の中で、施工範囲を詰めるとしている。また、消毒装置は防疫のために車両が通過できるゲートを設け、上下から消毒液を噴霧する設備を想定している。
繁殖育成牛舎は黒毛和種改良研究・優良黒毛和種受精卵供給施設として、ICTを活用した整備を計画。20年度には搾乳牛舎増築・改修建築を建築・電気・機械の3分離で発注したほか、育成牛舎の新築工事も行っている。21年度の繁殖育成牛舎の完成により、一連の事業は完了となる。
21年度事業費の内訳は◇繁殖育成牛舎3億6701万6000円◇堆肥舎6730万4000円◇外構3775万円◇省力設備4025万5000円−としている。
また、東吾妻町内にある吾妻肉牛繁殖センターの機能移転も計画している。各工事が完了した後となる22年度に機能を移転させる方針。同施設は県有地と借地を合わせて約57haの敷地にあり、移転が完了した後に利活用方法の検討を本格化させる。