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建設新聞社(長崎)
2021/05/19

【長崎】五島中通島の産業等維持へ、港づくり計画

国が新たに認定、総事業費29億
   県が事業主体、港湾・漁港を一体整備


 県は、観光業や水産業を中心とした新上五島町の経済を支えることを目的に、地域再生計画(中通島(五島列島)の暮らしと産業を支え地域社会を維持する港づくり計画)を策定した。計画の必要性が認められ、国が計画を新たに認定。港湾と漁港を一体的に整備するもので、現時点における総事業費を29億4300万円(港湾施設28億7000万円・漁港施設7300万円)と見積もった。
 同計画は新上五島町の一部(有川港、青方港および浜串漁港)が区域で、県が主体となり事業を進める。このうち、港湾施設は有川港と青方港が対象。事業期間は2021年度から25年度までの5年で、係留施設と外郭施設で整備が行われる計画だ。一方、漁港施設は21年度から22年度までの2年間が事業期間。浜串漁港が対象となっており、係留施設で整備が予定されている。
 全体計画のうち、有川港では防波堤を改良するとともに、老朽化が著しい浮桟橋の更新を図り、定期航路の拠点としての機能確保および漁船の安全な航行を実現。また、青方港では浮桟橋の改良および老朽化が著しい物揚場の更新を行い、準備・陸揚げの作業効率の向上を図る。
さらに浜串漁港においては準備作業の安全性および作業効率向上のため、浮体式係船岸を整備する計画。併せて、岸壁および物揚場に車止めを設置するとともに、老朽化が著しい防舷材の更新を図り、安定した漁業活動を目指す構えだ。
 総事業費は29億4300万円となる見込み。港湾施設の事業費は28億7000万円で、うち交付金は21億8500万円。漁港施設の事業費は7300万円で、うち交付金は4380万円となる見通しだ。港湾と漁港を一体的に整備。併せて観光イベントや漁業振興事業を行うことで、観光振興、水産振興による中通島の経済活性化を図っていく。
 国は、「港湾および漁港を一体的に整備することにより、個別に整備するのに比べて、効率的な整備が可能となり、安定的な物流・旅客輸送や安全安心な漁業活動を維持することにより、地域再生の目標達成に資するとともに全体の整備コストの削減が期待できる」などとコメント。事業が先導的なものであると認めた。
ksrogo