日本工業経済新聞社(群馬)
2021/05/18
【群馬】県建設企画課がICT試行要領を改定
県建設企画課はICT活用工事試行要領の改定を行った。6月1日以降に起工する案件が対象となる。発注者指定型の場合は起工測量から施工、データ納品までの全工程でICT技術の活用が必要だったが、部分的な活用もできるよう改定した。また、これまで工種単独で発注できるのは土工と舗装工だけだったが、新たに構造物工および法面工、地盤改良工、付帯構造物設置工の4工種を追加している(追加した工種は2面)。
ICT活用工事は◇3次元起工測量◇3次元設計データ作成◇ICT建機による施工◇3次元出来形管理等の施工管理◇3次元データの納品−の5工程に分割。施工者希望型を基本に、発注者指定型も行っている。試行対象工事の場合は特記仕様書で対象であることを明記している。
これまで、土工と舗装工の2工種においてICT活用の試行を進めており、発注者指定型については全工程での実施を求めていた。他方、施工者希望型については全工程での実施だけでなく、部分活用としてICT建機施工のみもしくは、ICT建機施工以外の全工程で実施することを認めている。
今回の改定により、発注者指定型でも部分活用での発注が可能なように変更した。さらに、これまでのICT建機施工のみまたはICT建機施工以外の全工程という2パターンに加え、5工程のうち起工測量とICT建機の活用を除いた工程を組み合わせて行うことを可能とした。
付帯構造物設置工など4工種はその工種単独でICT活用工事の対象になっておらず、土工や舗装工の付帯工事などとして行っていた。改定することで、それぞれの工種単独で発注した場合もICT活用工事の対象となる。
単独で行った場合、地盤改良工を除く3工種はICT建機による施工が行えないことから、残る4工程をICT活用工事と位置付け。地盤改良は5工程全てで行うこととしている。
いずれの工種もICTの部分活用が可能。地盤改良工を除く3工種は、全工程のうち◇3次元設計データ作成◇3次元出来形管理等の施工管理◇3次元データの納品−を実施する。地盤改良についてはICT建機施工のみを部分活用として認めている。
構造物工を除く3工種は、ICT活用工事の対象とする場合の工事規模を定めており、それぞれ◇法面工=施工面積1000u以上◇地盤改良=施工面積1000u以上、施工量1000立方m以上◇付帯構造物設置工=施工面積1000u以上−としている。また、ICT活用工事として発注していない工事でも、受注者からの希望があった場合は工事規模によらず、その対象工事として扱う。
ICT活用工事の実施による工事成績評定への加点も変更する。従来は全工程を行うと4点追加。部分活用にも加点しており、ICT建機施工のみ、もしくはICT建機施工を除く4工程によりそれぞれ2点を追加する。
今回の改定に合わせ、さらなる活用を促すために条件を緩和する。起工測量とICT建機施工を除いた工程の実施によっても2点を加えることとした。このほか、構造物工については、生産性向上を図るために構造物工(橋脚・橋台)の技術基準を策定・改定している。