大阪府は、府中央卸売市場の再整備で民間事業者に再整備手法などの提案を求めるサウンディング型市場調査を実施する。2020年度に実施した市場の在り方検討調査結果に基づき、総延べ床面積14万平方b程度を想定する全面建て替えを含めた再整備手法などの提案を募集する。民間資本の活用による市場との相乗効果、府の財政負担の軽減などを期待する。参加申し込みを7月23日までメールで受け付けた後、個別対話を行う予定だ。
市場の所在地は茨木市宮島1ノ1ノ1。敷地面積は20万1351平方b。1978年に開設された。
再整備のプランとしては、現地での全面建て替え+余剰地の民間活用または施設の長寿命化+大規模改修・増築+余剰地の民間活用の2通りを想定する。
全面建て替えの場合、必要な施設の総延べ床面積を市場施設部分(卸売場・仲卸売場・買荷保管積込所など)6万平方b、関連施設部分(関連商品売場・場内事業者事務所・管理棟など)3万平方b、駐車場5万平方bの計14万平方b程度を想定した提案を求める。
民間活用可能面積は、施設の長寿命化+大規模改修・増築の場合1万5000平方b程度、現地での全面建て替えの場合1万5000平方b程度以上とする。
生鮮食料品などの流通、取引に必要な基本的機能(コールドチェーン機能、HACCPを含む高度な衛生管理機能、効率的な場内物流動線、冷蔵・保管・加工機能)、広域中継拠点市場化に必要な機能(大量・多品目の集荷機能、情報通信技術を活用した効率的な物流機能)などの市場機能を強化する。
提案内容は▽再整備のパターン別機能強化の実現可能性と強化内容▽再整備後の施設配置案(市場施設と収益事業施設)▽建て替えまたは改修・増築にかかる概算整備費▽ローリング工事の難易度(仮設店舗の設置を含めた必要なタネ地の確保、工期など想定される課題など)▽民間資本活用手法▽PFIなどの事業期間▽想定される収益事業の内容と理由▽施設の維持管理の役割分担―など。
民間資本の活用パターンとして@市場公設+収益施設PPP(卸売市場は公設とし、余剰地を事業用定期借地で民間事業者に貸し出し、その賃料を市場会計に繰り入れする)A市場PFI+収益施設PPP(卸売市場はPFIによるサービス購入型とする)B市場DBO+収益施設PPP(卸売市場をDBO方式で府が発注する)C市場・収益施設ともにPPP(用地全体を民間事業者に事業用定期借地で貸し出し、卸売市場を含み施設を一体的に整備した後、府が市場部分をマスターリースで一括賃借する)―の四つを想定する。
2020年度に実施した同市場の在り方検討調査は流通研究所(神奈川県厚木市)が担当した。
提供:建通新聞社