日本工業経済新聞社(群馬)
2021/05/14
【群馬】桐生市は市庁舎構造で六角型を示す
桐生市は14日に開催された市議会全員協議会で、建て替えを行う市役所新庁舎の形状等を3案示し、六角型の建築案を最良案と考えていることを明らかにした。基本設計業務は久米設計(東京都江東区)が7月末までの完了を目指し進めている段階。今後も議員からの理解を得ながら慎重に検討を進める。全員協には久米設計の担当者もオンラインで出席、六角型が耐震性や来庁者の使いやすさ、熱負荷低減などを考慮し、最良と判断したとの経緯を説明をした。
新庁舎は現庁舎(織姫町1−1)の敷地内に計画。仮庁舎の建設を行わない方針のため、不整形なスペースでの建設が求められている。
有力案の六角型は◇建築面積=3400u◇延べ床面積=1万1500u◇階層=4層。六角型は窓口前通路が集約され、来庁者動線が短く全ての窓口が一望できるため、視認性が高い。熱負荷について南西の執務室は庇等で負荷低減可能で、共用部は建物中央に集約されるため、熱負荷が低いなどの利点がある。このほかTとDの形を模したT型、D型も示したが、執務スペースが独立するため、レイアウトの柔軟性が低くなるほか、会議室や共用部が北東、西に面するため、熱負荷が高くなるなどのデメリットが発生する。
六角型における各階の機能配置は1階から3階までに執務スペースを設け◇1階=多目的スペースや総合案内◇2階=会議室スペース◇3階=秘書室など−配置する。4階部分は議場とし、エレベーターは2基の計画。
建物配置は東側道路境界部分に沿って建設するため、T型、D型の5層に比べて、六角型は日陰、圧迫感ともに低減されることとなる。
議員からは斬新なデザインであることや予定する庁舎本体建設工事費58億円に収まらないのではないかなどの意見が出た。回答は、デザインは構造力学的に最も安定しており、階層が少なくなっているため、外構面積が抑えられ、メンテナンス費も抑えられる。建設コストも予定している額の範囲内で可能と回答した。
今後、建設スペース確保へ2021年度は先行して議事棟および車両棟の解体に着手。実施設計は基本設計受託者と随意契約とし、22年6月までに作成。その後、議事棟や車両棟の解体工事を22年12月に終了させ、庁舎の建設工事へ着手、2カ年で行う。25年度末までに全事業を完了させる。