国土交通省木曽川上流河川事務所は、「木曽川上流特定構造物改築事業(新水門川排水機場)」を新規事業化した。木曽川水系牧田川と水門川の合流部にあり老朽化が進む新水門川排水機場と岐阜県の旧水門川排水機場を統合した新排水機場を整備する計画だ。
事業期間は2021年度から33年度までの13カ年。21年度は用地買収を進め、22年度から牧田川左岸堤防の築堤工事に着手する計画。事業費は約240億円(直轄負担分)を投じる。
大垣市横曽根4にある既存の新水門川排水機場(国管理、1968年完成)と水門川排水機場(岐阜県管理、50年完成)は設置から50年以上が経過し、交換部品の製造中止などで抜本的な修繕は難しく、機器が故障し、出水時に不具合が生じる懸念がある。
さらに現況の牧田川左岸堤防の高さと厚みが十分でないこともあり、現在の両排水機場より約150b下流に統合した新水門川排水機場を造り、牧田川左岸堤防と一体的に整備することとした。
新たに整備する新水門川排水機場は、口径2bのポンプを4台設置し、毎秒47立方bの排水能力を備える。最新鋭のポンプを導入し、排水能力を強化することで機器停止リスクの軽減と鋼製ケーシングの採用でメンテナンス性の向上や長寿命化を図る。動力設備は揖斐川の計画高水位よりも高い位置に配置し、大きな出水時での機能停止を防ぐ。また南海トラフ地震や濃尾地震などと同程度の地震時は機能を速やかに回復できる耐震性を持たせる。
新水門川排水機場の実施設計は玉野総合・日本工営JV(名古屋市)が担当した。
水門川排水樋門は、延長78・4b、幅52・3b、高さ5・1bで、内空断面8・8bの樋門が5連の構造となる。
牧田川左岸堤防は、延長約363b、高さ約4・5b、幅員約7bで整備し、堤防機能の強化を図る。
水門川排水樋門や牧田川左岸堤防の実施設計は大日コンサルタント(岐阜市)が担当した。
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建通新聞社