北海道建設新聞社
2021/05/14
【北海道】建設業全道組織の行事中止相次ぐ まん延防止の適用受け
9日から札幌市を対象に「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受けて、建設業界でも全道組織が行事の会場開催を取りやめるケースが相次いでいる。北海道測量設計業協会や北海道鉄筋業協同組合、北海道建設作工技建協同組合などは5月の総会を書面決議に切り替えた。建設業労働災害防止協会(建災防)北海道支部は、昨年に引き続き6月に予定する北海道建設業労働災害防止大会を中止する方針を固めた。行事を開催する際に札幌市との往来が生じてしまう全道組織は特に慎重な対応が求められている。
まん延防止等重点措置による取り組みとして、道民には不要不急の外出や札幌市外との往来の自粛、イベントの収容制限を求めている。12日は道内の新規感染者が529人に上り、札幌市が352人を占めている。いずれも過去最多を記録し、深刻さを深めている。
こうした政府の方針や道内での感染者急増を受けて、建設関連の団体でも全道組織を中心に行事を見直す動きが起きている。北海道建設作工技建協同組合は12日、北海道測量設計業協会は17日、北海道鉄筋業協同組合は19日に札幌市内のホテルで2021年度の総会を開く予定だったが、大型連休明けに書面決議に対応を変更した。
土木学会北海道支部の総会は14日にオンラインを併用しながら会場開催する考えだったが、オンラインのみとする。
北海道電業協会と日本電設工業協会北海道支部は10日に総会を予定通り開いた。
北海道建設業協会と傘下の11建協で連休明けに総会を予定する5団体のうち、今のところ4団体が通常開催する方針。札幌が11日に実施済み。函館と帯広は14日、室蘭は17日としている。19日に予定する道建協は、連休前の段階でオンライン形式への変更を決めていた。
6月には北海道電気工事業工業組合や北海道管工事業協同組合連合会がそれぞれ総代会や総会を開催する方向だが、出席者に委任状の提出を促しできるだけ人数を絞るなど感染症対策に気を配る考えだ。
建災防道支部は、7月1―7日の安全週間に合わせた北海道建設業労働災害防止大会を昨年に引き続き中止することにした。ホームページ上で岩田圭剛支部長や来賓者のあいさつ、大会で使用する予定だった労災関係の資料、安全衛生表彰者の名簿などを公開する。
同支部は、全道各地の技術講習会や現場パトロールを6月末まで取りやめる。20年度は活動自粛によって技術講習会の回数は277回、パトロールの現場数は319カ所にとどまり、19年度と比べそれぞれ半減した。前年度と同様、活動の機会が失われることは組織運営に大きな影響を及ぼすため、同支部では今後の感染状況を注視している。