清水建設北陸支店(金沢市玉川町、齊藤武文支店長)は13日、北陸地域で最高クラスの環境性能を備え、中規模オフィスでは北陸地域初のZEB認証を取得し、脱炭素時代に即した最先端技術を導入した超環境型オフィスとなる新社屋を報道関係に公開した。
新社屋は、RC造一部S造地下1階、地上3階建て延べ4224平方メートル(建築面積1546平方メートル)。敷地面積は3255平方メートル。清水建設の設計・施工で昨年4月に着工。このほど竣工した。外装は金沢の街並みに見られる木虫籠(きむすこ)を現代の技術で再現している。
省エネシステムでは地下水や地中熱、自然換気、太陽光発電といった自然エネルギーの利用や、フロアフロー空調、躯体蓄熱放射空調(TABS)を導入。太陽光発電によるエネルギーを水素に変換して貯蔵し、必要に応じて放出・発電する「Hydro Q―Bic」をオフィスビルとして初採用した。
能登ヒバを耐火被覆として利用し、木質建築の新たな技術となる耐火木鋼梁「シミズ ハイウッド ビーム」による格天井は、スパン25メートル超の大空間を実現。開放的なオフィスフロアは、多様なワークエリアが混在し、目的やその日の気分で働く場所を選ぶことができ、創造的で柔軟な働き方を誘発していく。
建築物省エネルギー性能のZEB認証と建築環境総合性能評価CASBEEのSランクを取得したほか、今後、WELL認証で最高ランクのプラチナ、LEED認証のゴールドを取得する予定。
齊藤支店長は「旧社屋が築後40年以上を経過したため、建て替えることになり、このほど、無事竣工を迎えた。17日から業務を開始する。大手建設会社にふさわしく、先端建設技術のショールームとして使用できる社屋づくり、金沢、北陸地方に新しい建設のトレンドをもたらす社屋を目指した。その成果の一つがZEBの実現、建物付帯型の水素蓄電設備など、脱炭素社会の先駆けとして、エコとBCPを両立していきたい」と語った。
同社では14日に竣工式を行い、17日から業務を開始する。