大阪府は5月11日、第3回大阪広域ベイエリアまちづくり推進本部会議を開き、大阪湾に面した大阪市から岬町にかけての大阪広域ベイエリアのまちづくりビジョン素案を示した。地域資源や既存ストックを利活用して集客施設の誘致やにぎわいの創出に取り組む基本的な方向性をまとめており、吉村洋文大阪府知事は「都市部やローカルな地域も含めた広域的な視点で、大阪のベイエリアを盛り上げたい。全体像の指針などを検討し、日本の中心的なエリアとなるよう作り上げていく」と話した。
同ビジョンは「CRESCENT―LINK OSAKA―BAY(クレセントリンク・おおさかベイ)」をコンセプトに、大阪広域ベイエリアで、地域資源・既存ストックの利活用や隣接府県・西日本などとの連携、地域資源などとのネットワーク化、人や組織の育成に取り組みながら、世界とつながる文化・観光エリアや産業エリア、海辺環境エリアを目指す。
ベイエリアは主に五つの地区に区分。大阪〜堺地区では、夢洲のIRを核とする国際観光拠点の形成、堺浜の海辺を生かした集客拠点の形成など、堺泉北地区では浜寺水路周辺の旧市民会館・図書館跡地に集客施設の誘致などに取り組む。岸和田〜泉佐野地区では岸和田旧港周辺のベイサイドモールを対象に将来的なリニューアルの検討など、関空・りんくう地区ではりんくうタウン北地区でアイススケート場を核としたまちづくりなどを進める。阪南〜岬地区では深日港の空間を生かしたにぎわいの創出などに取り組む方針だ。
また、堺市は(仮称)堺駅・堺旧港周辺活性化ビジョン素案を示し、大浜北町市有地活用事業でホテルなどの誘致、親水護岸と後背地への商業機能導入などの水辺を生かした交流空間づくりなどに取り組む。
吉村知事はビジョン案に対し「“ターゲットイヤー”とする万博開催の2025年までを短期、IRなどが動き出す20年代後半から30年までを中期、それ以降を長期とする計画の時間軸を3段階に分けた方が分かりやすい」と指摘、「ロードマップを作成して時間軸を整理したい」と話した。
今後はIR誘致などの状況を踏まえながら、パブリックコメントを募集し、22年度を目標に正案を策定する予定。
提供:建通新聞社