二元代表制の一翼を担う県議会。「知事その他の執行機関と緊張感のある関係を保ちながら、議決機関、監視機関としての役割を果たしていく。各議員には積極的に活動してもらい、議会での議論がより活発化するよう努力したい」との方針を示す。委員会の回数を増やし、視察先での意見交換会の定着などを挙げ、「県民の声に真摯に耳を傾け、幅広い意見を議会の場に反映、発言していく」と活動の原点を力説。今年度は、議会広報誌の充実やソーシャルメディア利用等による情報発信、タブレット端末の導入を進めるとし、「スピード感を持って機能的な議会活動に努め、議会機能の強化・充実を図る」と説明する。
厳しい財政状況にある中で、県政の重要課題に新型コロナ対策を挙げる。「ワクチンを1日も早く全員に接種できるような体制を築き、見通しをはっきりさせて、県民に対し安心感を与えることが必要」と迅速な対応を求める。アフターコロナ、ビヨンドコロナを見据え、「デジタルトランスフォーメーション(DX)、カーボンニュートラル、UIJターン・移住支援などを推進し、富山県を元気にしていく」と強調。県民一丸となった取り組みを積み重ね、さらなる飛躍・発展につなげていく。そうした環境づくりを推進する上で、「北陸新幹線は不可欠。大阪延伸に向け、沿線各県をはじめ官民一体となって協力していく」とし、早期全線開通へ期待を込める。
今年度から「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」がスタート。国道8号豊田新屋、中島本郷の立体交差事業、倶利伽羅トンネルなども始動する。「県内の基盤整備は着実に進んでいく。仕事量が確保されることで、建設業で若い人を採用しようという機運が盛り上がってくる」と捉え、若者の入職や定着を促進する。県内建設企業は、災害復旧や除雪作業でも大きな役割を果たす。「安全・安心を担うためにも、健全に経営を続けて発展していけるよう支援していく」とし、中長期的に安定した公共事業予算の確保を図る。富岩運河環水公園の整備に長く力を注ぎ、旧舟だまりから憩いの水辺空間への変遷・再生を見届けてきた。「公園に水上ラインが就航し、富山県美術館が整備され、多くの人が集える場所になったことが特に印象に残る」と語る。引き続き、富山駅北地区の年間を通じた賑わい創出を目指す。
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いがらし・つとむ 早稲田大学法学部卒。03年県議に初当選し、経営企画委員長、副議長、総合交通対策、人口減少問題の特別委員長など歴任。3月、129代(戦後75代)議長に就任した。富山市中島。69歳。「誠心誠意」をモットーに掲げる。